前編では、県人寮・大学の運営する学生寮について論じましたが、入寮には枠があるというネックがありました。この後編では、入寮しやすい学生会館と学生マンションについて詳しく説明します。
 

集団生活でゆるやかな結び付き。学生会館での生活

ごはん

食事がつくのが学生会館の魅力

寮母さんの手作りのご飯を、たくさんの同年代の人たちと食べる。談話室でテレビを見たり、寮でのイベントごともある。だからこそ、孤独にもならないし、人と人とのかかわりもある。大学の寮だと同じ大学の人とばかり接してしまう。県人会などの同郷の寮だと、やっぱりその県ならではの感性から抜けれない。そんな心配も、学生会館なら不要です。

同じ大学の学生だけでなく、さまざまな大学、あるいは専門学校の仲間たちと接することで、多様な価値観も学べます。

隣の部屋に誰が住んでいるか分からないという生活よりも、たくさんの仲間たちと接するという境遇は、家族から離れて暮らすという孤独から、社会や団体生活になじんでいくプロセスとして、有効な世界と言えます。

とはいえ、団体生活。みんなで守るべきルールもあります。「門限」もありますし、友達や彼氏・彼女を部屋に呼ぶ、なんてことも制限があります。しかし、合理的に考えれば、そうしたルールがあるから静かな睡眠時間を確保できるともいえます。食事の栄養バランスなども考えられていますし、たとえば病気になって具合が悪くなっても、寮の仲間が支えてくれることもあるでしょう。「外泊届けとか面倒」と思うかもしれませんが、逆にいえば、いつまでも帰ってこなければ心配してくれる人もいるという安心感もあるともいえます。

お風呂や食堂など、共有スペースも充実しています。みんなと共同ですが、銭湯や旅館のような広いお風呂にのんびりつかるということは、それだけでメリットです。さらに言いかえれば、民間アパートに自分で住んだら、自分でお風呂の水道代や光熱費を負担するのですから、それだけ生活費が浮いているとも言えます。洗濯機も共有なので、自分の部屋には洗濯機は不要です。ということは洗濯機のスペース分、同じ個室空間なら広く住めるともいえます。また、食堂や洗濯機スペースの掃除は自分でしないで済むという考え方もできます。

たとえば、しつこい異性からの誘いや、気の進まない飲み会も、「門限があるから」と切り上げられますし、部屋に入りたいという寮外の友だちも「禁止されているから」とロビーまでに留めることもできるとも言えます。

こうした「団体生活」が馴染むかどうかは、借りる人次第です。私は浪人時代は、予備校の運営する寮に住んでいました。大学合格という共通の目標に向かって暮らす共同生活はそれなりに楽しかったと思います。門限があり、厳しい寮長もいましたが、その分、勉強に集中できました。テストが近づくと、寮全体がキリリと引き締まった雰囲気になり、周りに刺激されました。好きなプロ野球チームの勝った負けたを食堂で会話をすることも楽しかった思い出です。体調を壊したときは、寮母さんが病院に連れて行ってくれたり、心強い存在でした。しかし、大学に合格すると、自由を謳歌したいというか、門限がなく外泊届の必要のない部屋を選択しました。そう、それは生活の仕方の「選択」なのです。

続いて、学生会館とよく混同される「学生マンション」について論じます。