美しい海岸線が続く風光明媚なリゾート地 「束草」
日本でいうところの日本海は、韓国では東海(トンヘ)と呼ばれ、美しい海岸線が続く風光明媚なリゾート地でも知られています。なかでも「束草市(ソッチョ)」は、江原道(カンウォンド)北部に位置し、東海のなかでも指折りの観光地として親しまれています。背後には雪岳山(ソラクサン)がそびえ、上質な砂が特徴的な穏やかな海がどこまでものびる海岸、自然豊かな山と海が両方楽しめる束草市。
実はここ束草市は1945年の半島分断から5年間続いた朝鮮戦争までは北朝鮮に属していた街で、休戦後は南側に残ったものの、冷戦期には北朝鮮と接する緊張のある場所だったそうです。
束草海岸は青草湖という小ぶりの湖を囲うような形で伸びていて、この青草湖を右手に海岸線を北へ1キロほど歩くと、岬の突端を結ぶ青湖大橋が架かっています。青湖大橋を渡りきったところ、岬の突端にあるのが、アバイ村です。
アバイ村とは、北朝鮮の方言で「おじさん」または「おじいさん」のことで、朝鮮戦争時代に避難民がここに住み着いたことからそう呼ばれるようになったそうです。
アバイ村は昔の古き良き韓国の面影を残しているエリアで、韓国ドラマ『秋の童話』のロケ地としても有名です。岬の突端であるアバイ村から、河幅約10メートルの向こう側の街に渡るのは、渡し舟「ケッペ」です。このケッペは、ワイヤーがこちら側とあちら側の岸に結び付けてあり、乗客が船頭さんと一緒にそのワイヤーを引っ張って船を動かします。
日本語はもちろん英語だって通じない地方に出かけてみると、旅をしている実感がふつふつと湧いてきます。ソウルではなかなか体験できない感覚です。
■束草市
アクセス:【高速バス】東ソウルバスターミナルから束草(ソッチョ)へは所要時間、約3時間30分。料金は特別席17700ウォン/一般席14900ウォン。運行間隔1時間に6本。