日本の植民地政策の爪あと 「西大門刑務所歴史館」
西大門刑務所は、「京城監獄」の名称で1908(明治41)年10月21日に設立された、当時の朝鮮半島で初めての近代的刑務所です。1987年まで刑務所の役目を果たし、1998年から「西大門刑務所歴史館」として一般公開されています。京城監獄が設立する前年から、日本は朝鮮を保護国とし、伊藤博文を初代韓国統監として派遣し政権をにぎっていました。朝鮮民衆の抵抗が盛んになり、伊藤博文は1909年(明治42)に満州のハルビンで、朝鮮の独立運動家である安重根(アンジュングン)に射殺されてしまいます。
日本はこれをきっかけに、翌年1910年8月22日、「韓国併合ニ関スル条約」を発効、以後朝鮮は日本の敗戦(1945年)まで、日本の植民地となりました。
朝鮮が日本統治下にあったころ、多くの独立運動家たちが京城監獄に収容されました。西大門刑務所歴史館のパンフレットには、このように記されています。
「西大門刑務所は悪名の高い日本植民地時代の代表的な弾圧機関で、数多くの独立運動家が苛酷な獄苦を味わい、日本の残酷な拷問により苦痛の中で殉国していった生きている民族の聖地です。」
西大門刑務所歴史館は、このような歴史を引き継ぐための教育の場として開館したとのことです。日本人にとっては居心地のいい場所では決してありません。しかし韓国という国をもっとよく知りたい、もっと好きになりたいのなら、是非一度訪れてみる価値のあるところです。
■西大門刑務所歴史館(ソデムン ヒョンムソヨクサクァン)
住所:ソウル特別市 西大門区
電話:02-363-9750~1
営業時間:3月~10月(9:30~18:00)、11月~2月(9:30~17:00) ※30分前まで入館可能
定休日:1月1日、旧正月・秋夕(チュソク)の当日
入館料:大人(19歳以上):1500ウォン、青少年(13~18歳):1000ウォン、子ども(7~12歳):500ウォン ※65歳以上と6歳以下は無料
アクセス:地下鉄3号線「独立門(トンニンムン)」より徒歩3分
URL:http://www.sscmc.or.kr/newhistory/index_culture.asp
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