お金の使いどきに対応できるプラン
ここからは3つのケースでムリのない借り入れプランを考えてみましょう。一組目は小さい子どものいる30歳の夫婦です。
プロフィール
夫30歳(会社員)、妻30歳(専業主婦)、子ども0歳
世帯年収500万円
住宅購入に使える資金 300万円
買いたい家の価格帯・・・2500万円~2800万円(中古物件でも良い)
この人の場合は、住宅購入に使える資金が300万円といっても、全額を頭金に使えるわけではありません。手数料や引っ越し代など、なにかと経費がかかります。新築で物件価格の5%、中古では10%程度を諸費用として準備しておく必要があります。
そう考えると、このケースの場合、頭金として使えるのは50万円程度。また、これから教育費などお金の使いどきがやってくるため、年間返済率は20%程度、つまり年間返済額を100万円程度に抑え、返済額が最後まで変わらない長期固定金利のローンで借りるのが鉄則。ただし、長期固定でもっとも低金利なフラット35は頭金が1割(この場合250万円)必要なので、他の住宅ローンとの併せ融資が条件に。それなのでこの場合は、他のローンを検討する必要があります。
そこで藤川さんが提案する物件価格や、借り入れプランがこちらです。
物件価格 2380万円
借入金額 2330万円(返済期間35年、全期間固定2.434%)
頭金 50万円 (諸費用250万円)
返済額 毎月8万2474円 年間99万円(年間返済率 19.8%)
総返済額 3464万円
※2012年5月適用分の金利で藤川さんが試算。実際の借り入れとは異なる場合がある
長期固定で低金利商品のあるソニー銀行の『住宅ローン金利プラン』を利用した借入プランです。基準金利から全期間▲0.9%の金利が優遇されます。また、事務手数料4.2万円がかかりますが、保証料と団体信用生命保険料は不要です。
予算を守ることが成功の秘訣
「この人の場合は、物件価格を少し下げたほうが安心です。値下げ交渉や物件の変更も検討を。どうしても下げられない場合は、借り入れではなく頭金を増やすようにしてください。住宅資金贈与の特例などを使えば非課税で贈与を受けられますから、両親や祖父母に相談してもいいと思いますよ。なお、毎月の負担を減らすために35年返済で組んでいますが、60歳で完済できるよう、ゆとりのあるうちに繰上返済して期間を短縮しておきましょう」。次のページでは変動金利でもOKな共働き世帯の借り方をチェック!
監修/藤川 太(ファイナンシャル・プランナー) イラスト/西山カルロスさとし