貯め上手な人の年間返済率は15%!
「私が見てきた貯め上手な人たちの特徴とは、年間返済率が15%程度ということなんです」というのはFPの藤川太さん。年間返済率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のこと。年収500万円の世帯の場合なら年間返済額75万円、月額で約6万1500円であれば返済率15%となります。途中で破綻しないように住宅ローンを組むときには気をつけたいもの
ほとんどの金融機関では借り入れ限度額を年間返済率35%までとしていますが、
「年間返済率はできるだけ20%以内にするべきです。多くの人は子どもがいないか小さいうちに住宅ローンを組みます。そこで余裕があるからと多めに借りてしまうと、お金の使いどきに家計が厳しくなってしまう。破綻しないまでも教育費や老後資金が準備できないといった事態に陥りかねません。そうならないための数字が、20%以下なのです」。
上表のように、年間返済率15%なら、年収500万円で教育費に年100万円かかったとしても毎月18万円以上のお金が残り、貯蓄も十分できそうです。
「それさえできれば、固定か変動か、どこで借りるか、頭金はいくら必要かなどは小さな問題なのです」
ムリなく借りるには予算ありきの物件選びがすべて
とはいえ、物件を選んでいるうちに「こんな場所に住みたいな。こんな施設があるマンションがいいな」と希望と価格が膨らんでいくもの。そこで藤川さんが強調する物件選びの鉄則がこちらです。- まず、予算を決める 金融機関のHPなどでシミュレーション。年間返済率を20%以下にしたときの自分の借り入れ可能額と頭金を足したものが、物件購入予算の上限です。頭金に回せるお金は、諸費用などを差し引いて少なめに見積もりを。
- その予算で買える地域や物件をスクリーニング。
- その中で「いいもの」を探す。
余力のある人なら変動金利もOK
身の丈以上の物件を買って家計が厳しい人ほど、目先の金利が低い変動型のローンを借りる傾向にありますが、これはきわめて危険と藤川さん。「金利が上昇したときの吸収力がないため、即、破綻もありえます。ずっと返済額の変わらない長期固定金利でリスクを減らしましょう」。
どんな人がどんなタイプのローン向きかを整理すると以下のようになります。
●繰上返済できない、将来の金利変動に耐えられない家計
⇒長期固定金利
●家計に余力がある人、継続して繰上返済できる人 ⇒変動金利
●ふつうに返済していける人 ⇒固定と変動に分けて借りる(ミックス型)
また、優遇金利の適応のされ方もチェック。1.全期間優遇金利と 、2.当初優遇金利の2種類がありますが、「2の当初優遇は目先の金利は低いのですが、優遇期間終了後は1より金利が高くなります。余力があって早めに返せてしまう人は2の当初優遇で低金利を活用、そうでない人は1の全期間優遇を選ぶこと」。
では、ここまでの話をふまえて実際にはどのようにローンを組めばいいか、3つのプランを見ていきましょう。
「夫の収入だけで家計がギリギリの人」はどうやって住宅ローンを組めばいい?
監修/藤川 太(ファイナンシャル・プランナー) イラスト/西山カルロスさとし