中国最大級の食品メーカー、「康師傅」に大注目
中国の消費市場拡大で成長が期待できる康師傅
すでに時価総額で1兆円近い大企業ですが、世界トップクラスであるユニリーバやコカコーラ、ネスレなどの時価総額は10兆円クラスを超えており、そうした世界の状況をみる限り、康師傅は今後20年間、規模拡大を続ける可能性があると思います。
康師傅は台湾系の頂新集団の傘下企業で、即席麺とペットボトル飲料で圧倒的なブランド力を持つ、中国を代表する食品メーカーです。本社は天津にあります。市場シェアについて、康師傅の主要飲料製で品であるボトル入りの茶飲物とミネラルウォーターは市場1位であり、それぞれのシェアは45.8%と17.8%です。果汁飲料は19.3%のシェアで市場2位です。即席麺は55.7%のシェアで市場1位です。
中国の消費水準向上と共に成長できる素地がある
康師傅のこれまでの成長の経緯ですが、中国の1人当たりGDPが1500ドルを超えたあたりから生産設備と人員を一気に増加させています。中国の消費水準の向上と共に成長してきた感があります。今後も良くなったり悪くなったりといった景気変動はあるでしょう。しかし、そうした循環的な外部環境の変化よりも、もっと大きな構造変化、つまり「長年の高成長から、ようやく消費が爆発的に拡大する段階に入った」という大きな変化を捉え、これからも順調に規模を拡大させていくと思います。また、康師傅の経営陣はROEを高めるためのしっかりとした戦略を持っています。利益率、回転率、負債利子率、負債比率をしっかりコントロールする能力があるのです。過去数年の経営指標をみる限り、はっきりと経営効率が向上していることがわかります。単に成長性、つまり規模拡大だけを追い求めるのではなく、収益性、安全性などに配慮しながら、バランスのとれた企業経営が行なわれているのです。こうした緻密な経営に裏打ちされてROEが上昇しており、その点が高く評価され、株価も大きく上昇したのです。