実は、大腸がんは食生活の欧米化に伴って年々増えてきています。その死亡数はここ20年でほぼ2倍にも登ろうかという勢いなのです。平成15年の厚生労働省の人口動態調査によると、1年間の間に癌で命を落とす女性は12万人。そのうち大腸がんはなんと17883人。ずっとトップを走りつづけていた胃がんを抜いて第1位になってしまったのです(胃がん 17,393人)。
決して人事ではなくなってきた大腸がん。今回は大腸がん特集です。
どうして大腸がんがふえているの? 食生活の欧米化
高脂肪、低繊維食は大腸癌の危険up! |
2005年5月 詳しくはこちらへどうぞ 野菜では大腸がんは減らない?)*1
高脂肪食は胆汁の分泌を刺激します。胆汁の分泌量が多すぎると、腸内細菌の作用で、発癌を促進する物質が出来てしまいやすくなります。また便が大腸内にとどまっている時間が長いと、その分、便に含まれている発がん物質が大腸粘膜に接する時間が長く、癌になりやすいと考えられています。つまり、便秘がちのヒトも注意した方が良さそうです。
大腸がんには遺伝の影響もあります。たとえば、『家族性大腸線腫症』という病気があり、遺伝的にほぼ大腸がんが必発なのが明らかになっている家系が知られています。身内で大腸がんでなくなった方がいる方、大腸にポリーブを指摘されたことのある方などは気をつけていただいたほうが良いと思います。
年齢的に一番多いのは60代ですが、40才くらいから徐々に増加します。最近は40歳代の若い方の大腸がんが増えてきているようです。
大腸がんの症状は? 初期は無症状のことも……
ホントに最初のうちは、怖いことに、無症状のことも多いのです。進行するにつれて
・血便
・便通の異常(←食べ物が通過するところに邪魔なものがあるので便が出にくくなる、つまり便秘がおこります。また無理やり狭いところを通そうとするので下痢もおこったりします。便秘と下痢が交互に起こることもあります。)
・腹痛(←がんのしこりそのものを押しても痛いですが、便の通りが悪くなるのでそれに伴ってお腹が痛くなります。)、
・しこり(←大きくなると触れることもあります)
といった症状が起こってきます。
がんで腸が閉塞すると腸閉塞という状態になります。ご飯が食べられず、だんだん、食事をしなくてもお腹が痛くなり、最悪では腸が破れることもあります。こうなると緊急事態で、緊急手術になってしまいます。
次ページではさらに大腸がんにせまります。大腸がんを調べる方法は?予防できる食事ってあるの?>>