SUZUKI KUNIO


鈴木國男
1960年 新潟県出身
1987年 多摩美術大学大学院修了

ホームページ:http://members2.jcom.home.ne.jp/kuniro/

展覧会

鈴木國男「ブルートライアングル」(下記3会場で個展)→展覧会の詳細とコンセプト

「MIZU NO SASAYAKI」
会期:2006年10月30日(月)~11月5日(日)
会場:中央区銀座・0ギャラリー

「MARS WATER」
会期:2006年10月13日(金)~11月6日(月)
会場:千代田区内幸町・SHOW WINDOW GALLERY

「アクアの森で」
会期:2006年10月1日(日)~10月30日(月)
会場:大分県湯布院町・theo murata 2Fギャラリー

◇テーマについて

近年、水をテーマに作品を制作しています。モチーフとしては、海の生き物、水の揺らぎ、青の美しさなどを選ぶことが多くなってきました。しかし、それをリアルに描くのではなく、生活経験、記憶などをよりどころにし、画面上に再構成しています。そして、できるだけ自分のイメージを大切に表現しようと心がけています。
つまり、現代にいきる人間が、生命の源である”水”に何を感じるかを表現したいのです。そしてそれが、自然への敬意につながり、自分の心を豊かにし、感性をとぎすまさせてくれればと願っています。

「UMI NO OKITE(II)」F50 2005
◇表現することで心がけていること-線の重要性

ここにきて、若冲、蕭白などの江戸時代の画家たちの評価が高まっています。それには、いくつかの理由があるでしょうが、ひとつには線を重要視した描法にあるのではと私は考えています。線は、曖昧な空間に秩序を与えると同時に、描こうとするモチーフの特徴をあぶりだします。また、マンガやアニメの世界的な評価は、あまり強調されることはありませんが、日本人の持つ高度な線描のテクニックの再認識によるものではないでしょうか。それは、それらのルーツだとされる「鳥獣戯画」を思い起こしていただければ、すぐに納得できるはずです。
私は、テーマの”水”を表現するために、線を重要視します。線の効果を考え、画面を構成し、コンポジションを整えます。色や形の機能を有効に画面上に作用させるには、線がどのようにそれらと関連しているかが大切です。さらに、絵にリズムを与えたり、メロディを奏でたりする場合でも、線はその力を最大限に発揮します。線は、私にとって画面上の意志に他なりません。

「KURAGE」F50 2006
◇日本画について

現代の日本画を一言で説明するのは難しいでしょう。本来はこの言葉の生まれた歴史的な背景から語り始めるべきでしょうが、かなり時間を要します。そこで、手っ取り早く、和紙に岩絵具などを膠で溶いて描いた絵などとしてしまえば、この言葉によって分類された絵の魅力のほとんどが半減してしまいます。残念ですが、現在「現代日本画の領域」の明確な基準や定説はないのです。
結局、絵を続けてきてわかったことは、自分という「個」の持つ美意識と日本画あるいは日本美術が培ってきたそれとの間に多くの共通項があると強く感じていることです。さらに言えば、この曖昧なフィールドの方が、自分自身が自由に動き回れるし、アピールしやすいとつけ加えておきましょう。
◇世代感などについて

いわゆるアニメ世代にあたると思います。小さい頃からマンガ雑誌の連載に夢中で、テレビでアニメを楽しんでいました。西洋の美術は、中学校の教科書などで本格的に触れたはずですが、それほど強い感動は覚えませんでした。むしろ、身近な美術品や工芸品(名品ではない掛け軸や屏風、仏壇)や近所のお寺の空き地、竹林で作ったトンネルのほうが記憶の根底にあります。また、空にひろがる青、田園風景の緑、積もった雪の白といった大自然の澄んだ色が脳裏にこびりついています。それらはきっと、細胞のひとつひとつに沁み込み、あるイメージ空間を形成しているはずです。こうしてみると、私が絵を描くという行為は、それらに形・色・線を与えることだと言い換えられるでしょう。
現代という歴史上もっとも無秩序と思える時代に、私が生きていた時間や空間から学んだ表現が、ささやかでも力強いメッセージとなって、浸透してくれればと願っています。



ポートレート・インデックスへ


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。