フラットな色彩描写、装飾的空間処理
200畳の会場で仲山計介と渡辺薫のダブル個展

目黒区美術館区民ギャラリーという広いスペースを会場に、仲山計介氏と渡辺薫氏の二つの個展が開催されます。仲山氏は一貫して取り組んできた「日本画に在る」をテーマに、渡辺氏は「今、いるところ・・・」をテーマに、会場そのものを一つの作品とします。展覧会を間近に控えた両氏に、今展の出品作や今後の取り組みなどについてお聞きしました。

■展覧会情報
展覧会名:日本画の空間と色彩展
会期:2006年8月8日(火)~8月13日(火)10:00~18:00
(初日は13:00~ 最終日は16:00まで)
会場:目黒区美術館区民ギャラリー
◇仲山計介 NAKAYAMA KEISUKE

仲山計介
1948年 静岡県浜松市生まれ
1974年 多摩美術大学日本画科卒業
1976年 多摩美術大学大学院絵画専修科修了

今展について
展覧会の作品は全て大作で、今回も殆どが風景画の形を取っていますが、特定出来る場所・時間を描いているのではなく、象徴的な日本の風景を描いています。四季の移ろいを情緒的に描くことよりも、仲山計介の観念的な世界観で再構築された空間意識をお見せしたいと思います。

出品作品
(1)6曲1双屏風ヨコ11m
(2)お寺の障壁画の一部ヨコ5m
(3)6曲半隻ヨコ5.9m
(4)変形120号ヨコ2m
(5)100号ヨコ1.6m
(6)変形80号X2枚ヨコ2.8m
以上6点

◇「日本画の空間と色彩展」について

「日本画の空間と色彩展」を渡辺氏と催しますが、先ず頭に在ったのは「日本画に在る」事の意味でした。 1980年4月美術手帖増刊号に私は次の文章を書きました。

「欠落した時代感覚、無思想性・・・・など、現代の日本画を批判する事はたやすい。しかし、そのような傍観者的立場にたった批判に終始することよりも、日本画の特質を今日的視点で再認識し、展開させることが、日本画に携わる者としての私に与えられた課題で在ると考えます。日本画の特質とは、装飾性あふれる優麗な色彩、種々の表現を可能にする描線の美しさ、あるいは東洋的(日本的)自然観にもとずく空間意識などがあるわけですが、それらの特質のなかで、私は空間意識に感心をもち、制作のテーマとしております。その空間意識は、合理的なパースペクティヴをもつ透視的な遠近法や明暗法などの、西欧的整合観にもとずく秩序によって組み立てられた空間ではなく、東洋的自然観による非合理の合理、非秩序の秩序といったものによって支配された古くて斬新な空間意識であります。」(1980年4月美術手帖増刊号より抜粋)

以来、私は一貫してこのテーマに取り組んできましたし、このテーマに取り組む事が「日本画に在る」事の解答でも有るのです。また、私と渡辺氏はそれぞれ追求するテーマは異なりますが、フラットな色彩描写と、装飾的とも思える空間処理が特徴なので「日本画の空間と色彩展」というテーマの展覧会にし、ダブル個展の形を取りました。 >


◇渡辺薫 WATANABE KAORU

渡辺薫
1955年 神奈川県川崎市生まれ
1979年 多摩美術大学日本画科卒業
1981年 多摩美術大学大学院絵画専修科修了

左の案内状について
左の「画廊にて」の絵をよく見ていただくと、絵の中に、クローゼットの絵と箱が描かれています。この作品は、描かれたものとその実物が同時に展示してあって、一つの作品になっています。その延長が今回の個展になります。

◇今展と今後の活動について

今展は「今、いるところ・・・」というテーマで、会場そのものを一つの作品としました。案内状の作品のとおり、描かれている絵そのものが作品の一部です。私の家の玄関らしきものから、会場に入っていただく感じです。 日本画の作品展として、私が提案しているものがどうなのかはわかりませんが、日本画としての活動範囲を広げていけたらと思っています。

今後の活動としては、これを続けていくかどうかはわかりませんが、日本画の世界はあらゆる可能性を持っている世界だと思っているので、次回も可能性を提案していくといった方向性で絵の仕事をして行きたいと思っています(実は、次の課題が浮かんでいるのですが・・・)。

今回の狙いの一つは、鑑賞者が私の作品を通して対話をもつことができて(私の作品に参加するということなんですが・・・)、初めて作品は完成します・・・。
・・・・そうなってもらいたいです。


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