日本画/日本画関連情報

生誕110年記念 伊藤草白展

国画創作協会に所属し洋風要素の強い風景画を残した伊藤草白(1896-1945)の生誕110年を記念した展覧会が、笠岡市立竹喬美術館で開催されます。

執筆者:松原 洋一

初の回顧展、22点の遺作で探る
伝統と革新のはざまで見出そうとしたもの


伊藤草白
伊藤草白「島」1918年 京都国立近代美術館
京都画壇に大きな影響を残し解散した異色団体、国画創作協会に所属し、洋風要素の強い風景画を残した伊藤草白(1896-1945)の生誕110年を記念した展覧会が、岡山県の笠岡市立竹喬美術館で開催されます。本展は、華々しい活動歴がありながら「島」以外の国展出品作が行方不明という状況を打破するためにも開催されたもので、遺作22点により草白の画業に迫ります。

また、本展にあわせて草白の孫の泰子さんによってホームページも立ち上げられました。散逸した草白の作品の資料などが公開され、草白の活動がわかりやくまとめられています。泰子さんは本展について「生涯自分の表現を模索し続けた祖父にとって、描くことは『生きること』そのものであったように思います。かつて祖父が伝統と革新のはざまで見出そうとした何かを、作品の中に感じていただければ、うれしいです」と語ってくれました。

伊藤草白公式ホームページ

※伊藤草白(いとう・そうはく)は、1896年(明治29年)京都市に生まれ、土田麦僊に師事、その後、国画創作協会に第一回展より出品、1945年(昭和20年)49歳で逝去しました。
→詳しくはホームページの略歴ページ

※国画創作協会は文展を離脱した京都の日本画家、小野竹喬、村上華岳、土田麦僊、榊原紫峰、野長瀬晩花によって、竹内栖鳳、中井宗太郎を顧問に1981年(大正7年)創立されました。その後毎年展覧会を開催、1921年から1923年には中断しましたが、1924に再開、翌1925年には梅原龍三郎、川島理一郎を迎えて第二部(洋画)を創設、1927年には工芸部、彫刻部が置かれました。しかし翌1928年には第一部(日本画)が解散したため、第二部は国画会と名称を変えて現在に至っています。
→国画会関連展覧会:国展80周年記念 国画会の画家たち/メナード美術館

■展覧会情報:生誕110年記念 伊藤草白展
会期:2006年4月29日(土)~6月4日(火)
会場:笠岡市立竹喬美術館
岡山県笠岡市六番町1-17
地図:Yahoo!地図情報

■講演会
テーマ:伊藤草白の画業
日時:2006年4月29日(土)13:30~15:00 
講師:上薗四郎(竹喬美術館副館長)
会場:笠岡市立竹喬美術館 視聴覚室
参加費:無料(ただし入館料が必要)

■ギャラリートーク
日時:2006年5月6日(土)・5月20日(火)13:30~14:30
参加費:無料(ただし入館料が必要)

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