日本画/日本画関連情報

portrait(8)-高島圭史

姿は目で見る事はできても、それに近付いて手で触れる事はできない。目の前に見えるものと、自分が描けるものとの距離がいくらか埋まるように、できるかぎり率直に表していきたいと思います。

執筆者:松原 洋一

TAKASHIMA KEISHI
        

高島圭史
1976年 兵庫県西宮市生まれ
2003年 東京芸術大学大学院美術研究科(日本画)修了
現在、東京芸術大学大学院後期博士過程在学中→詳しい情報

大好きな場所/東京国立博物館。見学した後に食べる精養軒のハヤシライスも気に入っています。

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◇表現したいものについて

目の前にいる裸婦も、花壇に咲く花も、光を受けて色を放ち、その存在を主張しているようです。輝きにも似た美しい色に惹かれて、 さっそくスケッチをしますが、その姿は目で見る事はできても、それに近付いて手で触れる事はできない、 そんなふうに感じる事があります。捉える事ができない、自分のものにできないもどかしさ、言い換えれば、 対象との間に圧倒的な距離を感じているのでしょうか。目の前に見えるものと、自分が描けるものとの距離がいくらか埋まるように、できるかぎり率直に表していきたいと思います。
◇自分の作品について

「きいろいひと」のイメージは、園城寺の黄不動を見た時の印象から出発しています。背景の暗がりの中から、 ぼうっと金色の肌が鈍く光っている姿はとても印象的でした。その図像がもつ意味や歴史的背景などは、 その時ほとんど知りませんでしたが、純粋な造形表現として、絵の強さがひしひしと伝わってきました。

あらためて平安、鎌倉時代の仏画や絵巻物などの美術作品を見る時、形態の意匠の高さと、色彩感覚に目を奪われます。 天然の顔料しかなかった時代の作品が、これほどの美しい色彩を持って目の前にある事に感動し、 それらの高度な表現を学びたいと思いました。「きいろいひと」のシリーズを描き始めた後で知りましたが、 仏画には、仏を描く時その肌を金や黄土で彩る決まりがあるそうです。信仰の対象となる仏画にはやはり、 絵を強くするそれ相応の工夫が施されていると思います。


「きいろいひと」 100×100cm 第57回春の院展

◇大好きな場所 東京国立博物館

東京芸大からすぐの所にあることもあって、特別展はもちろん、常設展をよく見に行くようになりました。 展示されている美術品群は、こちらの興味の持ち方次第で、いろいろな面を見せてくれます。 素晴らしい絵画に会えるのも魅力です。平安時代の普賢菩薩像や、長谷川等伯の松林図屏風、 酒井抱一の夏秋草図屏風など、普段は図版で見ているものを直にみると感動もひとしおです。 美しく古色を帯びた美術品に、あらためて日本美術の良さを感じる空間だと思います。 それと、見学した後に食べる精養軒のハヤシライスも気に入っています。



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