男のこだわりグッズ/グッズ関連情報

美味いお茶が簡単に淹れられる旅する茶器

日本は至る所に美味いお茶があります。だからこそ、旅には美味いお茶が淹れられる道具を連れていきたいもの。お茶がない土地に行くなら、益々、茶器と茶葉が必要です。旅用の茶器の名品を紹介します。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

旅のお供に携帯茶器を持っていこう

副正製陶所「KISSAKI お出かけ茶器セット」4200円(税込)

ちょっとした出張、小旅行はもちろん、知らない町を通り掛かったりするだけでも、意外に美味しいお茶に出会ってしまうのが日本という国の面白さだと思うのです。だから、ガイド納富は旅行には必ず茶器を持って行くようにしています。長期間なら急須と茶杯と茶葉を、一泊程度の短い出張なら、蓋碗と呼ばれる蓋付きの茶杯のようなもの(これ一つで急須と茶杯、両方の用途に使えます)など、旅行に合わせて、茶器を選ぶのも楽しみの一つです。

この宝瓶の中に茶杯二つが収まる仕掛け

例え、いいお茶に出会わなくても、お気に入りの茶葉を持って行けば、ホテルの部屋でうまいお茶を楽しめるのだから、茶器は手放せないのです。実はお茶は、ちゃんとした茶器で淹れる方が楽に美味しく入るので、ティーバッグやペットボトルよりも旅先で飲むのにも向いているのです。適当に淹れても失敗がないので、気楽に淹れられるんですね。連れがいれば、更に楽しいですし。

布で包んで、茶缶と共に巾着に入れればお出かけセットの出来上がり

副正製陶所の携帯茶器「KISSAKI」は、そんな旅に連れて行くための茶器に久々に登場した名作だと思います。それは、多分、この佐賀で作られた茶器が同じ佐賀県内でも陶磁器で有名な有田や伊万里ではなく、古くからのお茶どころである嬉野の窯で作られたものだからかも知れません。お茶が好きな人の気持ちと行動を考えた、実用的で、使って心地良い茶器に仕上がっているのです。

携帯茶器に求められる条件を考える

これをカバンに放り込めば、どこででも美味いお茶が楽しめる

携帯茶器の基本は入れ子でしょう。この「KISSAKI」も、基本的な構造は、宝瓶と呼ばれる蓋付きの片口のような急須に、茶杯が二個収納されているというもの。急須的な道具に茶杯が入れ子になっている訳です。それを布で包んで、茶葉を入れる小さな缶と一緒に巾着に入れれば、何処にでも連れて行ける茶器セットが出来上がります。この、「オールインワン」の感覚も携帯茶器には欠かせない条件。この巾着をそのままカバンに放り込めばOKという気軽さが重要なのです。

茶葉は日本茶なら底が隠れるくらい入れる

扱いやすさも、携帯茶器の重要な条件です。この宝瓶は、日本茶用ではあるので、宝瓶と呼びますが、実際はかなり中国茶の茶器である蓋碗に近い構造になっています。むしろ、蓋碗の良さを積極的に取り入れた、新しい感覚の宝瓶と言った方が良いのかも知れません。

茶杯に注いで、少し冷ましたお湯を宝瓶に注いで1分ほど待つ

特に使いやすいのが、注ぎ口の部分。蓋碗だと蓋だけで押さえて、茶葉が茶杯に入らないようにお茶を注ぐのに技術が必要です。でも、茶漉しが無い分洗いやすく、破損もしにくいのです。一方、宝瓶は注ぎ口が急須のように穴になっているモノが多く、茶葉は落ちにくいのですが、洗うのが面倒です。KISSAKIは、この部分を櫛型にすることで、淹れ易さと洗い易さを両立、しかも構造がシンプルなので、破損しにくく、携帯茶器としても扱い易い訳です。

繊細さとラフな使用感の両立を実現

茶杯に注ぎ入れる際、櫛形の注ぎ口からは、ほとんど茶葉がこぼれない

例えば、茶杯は、唇に触れる部分の薄さや角度で味わいが変わると言われます(ガイド納富は薄すぎる口当たりはあまり好きでは無いのですが)。このKISSAKIでは、角度をシャープにすることで、唇の当たりを軽くしつつ、薄くしすぎない事で、持ち運ぶ茶器としての強度や扱いやすさを実現しています。宝瓶部分も、手で持つ部分は厚手にして、持った時に熱くないように作り、円筒に近くする事で、持ち運び易く、また茶葉の量を確認し易くしています。こういう、繊細な部分 と携帯する茶器としての強度を両立させる工夫が、このKISSAKIの大きな特徴になっています。

お茶が入った。ほとんど何も考えなくても美味しく入る。

サイズも、茶杯に二杯、たっぷり入れた分が、宝瓶の半分くらいになるように計算されていて、誰もが簡単に、茶葉とお湯の量をコントロール出来るように作られています。もちろん、茶杯に注がずに直接、蓋の隙間から飲む事だって出来ます(一人なら、ガイド納富はそうやって飲んでしまいます)。蓋が宝瓶本体の縁に引っ掛けられる事や、出し入れのしやすさを考えた茶杯と宝瓶の直径のバランスなど、本当に、お茶を飲むということを念頭に試行錯誤した後が見えます。こういう丁寧な設計が、実用品としての茶器には重要なのだと思います。

ガイド納富の「こだわりチェック」


この茶器、実は熱湯で淹れる事は考えられていません。良い日本茶の適温と言われる、65度くらいの温度を上限に作られているようです。とはいえ、かなり熱いお湯でも、意外に平気に使えるので、熱いお茶好きのガイド納富としても気にいっているのです。実際は、旅先では熱湯で淹れる事は難しいので、それほど熱さにこだわる事はないのですけど。水筒にお湯を入れて持ち歩いて、多少冷めても構わずに淹れられるというのも、日本茶用の携帯茶器の気軽さです。

ガイド納富のお勧めのKISSAKIを使ったお茶の淹れ方に、氷出し冷茶があります。作るのは簡単。宝瓶に普段より少しだけ多目に茶葉を入れ(底が完全に隠れるくらい茶葉を入れた後、もう二掴みほど入れる)、お湯を少しだけ滴らします。その上に氷をたっぷり乗せて蓋をして、氷が溶けるのをじっくり待ちます。少し溶けてきたら、それを茶杯に注いで飲みます。これを繰り返すのですが、これ本当に美味いです。少しづつしか飲めないし、一煎しか淹れられないので、ちょっと贅沢な飲み方なのですが、夏には最高です。良い茶葉を手に入れたら、是非おためしください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます