座椅子とクッションはどちらも部屋に置きたくない
大東寝具工業「tetra」 左レザータイプブラック 13650円、右カバーリングタイプ緑風 12600円(税込) |
中学生の頃、初めて自分の部屋が与えられたとき、「ソファの三点セットが欲しい」と言って両親に却下され、「だったら座椅子でもいいから」と言って爆笑されました。
笑われたことで、冷静になって考えたら、座椅子がある自分の部屋の風景は、何ともカッコ悪いもので、その発言を後悔したものですが、そ の時の少年ガイド納富に、あれから30年以上を経て、ガイド納富はついに、部屋における座椅子的なものがあるよと教える事が出来ます。
三角錐を柔らかくしたような独特のフォルム |
大東寝具工業のクッション座椅子「tetra」は、クッショ ンが似合わない男性の部屋にもマッチして、しかも座椅子のように、オッドマンのように、枕のように、様々に使えます。何より、ガイド納富が気に入っている のは、「ちゃんとソファのように使える」という点と、ただ置いていても圧迫感がなく意外に部屋をカッコよく見せてくれることです。座椅子もクッションも部 屋には置きたくないけれど、ソファを置くと部屋が狭くなる、そんな選択肢の無い袋小路から抜け出せる製品に出会ったなあと、ちょっと感動したりしました。
応接間ではない場所でのソファの役割
直径約5mmの発泡ビーズ素材が、柔らか過ぎない座り心地の良さを生む |
応接間ではない普通のリビングにあるソファは、基本的には寛ぐためのものです。寝転んでテレビを見たり、座って家族と喋ったり、本を読んだり、昼 寝したり。一方でソファは、場所が固定されています。だからせっかく座り心地の良いソファを置いていても、その下に座ってソファに寄りかかる姿勢でテレビ を見るなんて事になりがちだったりします。だからと言って前述したように、座椅子やクッションでは機能的にも見た目的にも、ソファの代わりにはなりませ ん。クッション座椅子は、そのあたりの需要を見込んだ、とてもパーソナルなインテリアだと思います。
布カバーは、綿100%。もちろん洗濯可能。日本ならではの色の発色がとてもいい |
無印良品のクッション座椅子が一人暮らしの方々にとても人気だったのも、そのフレキシブルな使い勝手の良さと、場所を取らない割りにゆったりと座れるからだったと思います。そんなクッション座椅子の中でも、この「tetra」は、 寝具メーカー製だからか、部屋に置いた時にとても落ち着いたムードになるのが大きな特徴。布カバーと合皮カバーの二種類があるのだけれど、どちらもとて も、佇まいが綺麗なのです。カバーの品質だけでなく、三角錐を柔らかくしたような、そのデザインがまた、省スペースと座りやすさを併せ持った、機能的な美 しさを醸し出しています。
滑らかな肌触りのフェイクレザーは、ソファのような座り心地 |
この三角錐の形状は、部屋に置くと石庭の石のように、そこにあるけれど邪魔にならない感じに落ち着きます。それは、カバーのシックな日本の古くからの色を 使ったデザインの良さだし、サイズバランスの良さでもあります。ガイド納富のような、体の大きな男性から、細い女性まで、その体型に合わせた座り方が出来 ます。それこそクッションや座布団のように下に敷くように座るのも良し、浅く座って座椅子のように背もたれを作るように座るのも快適です。無印良品のもの のように身体を包み込むのではなく、身体を優しく支えてくれるような座り心地は、長時間身体を預けておくことができました。
リビングにあると様々な使い方で寛げる
布カバーのtetraをオッドマンの様に使うと、固さが絶妙でとても快適 |
ガイド納富が好きなのは、ソファに腰掛けて、足元に置いた「tetra」に 伸ばした足を乗せる座り方。これが一日歩いた後などにはたまらない心地良さです。この使い方をする場合は、カバーが二重になっている布カバーの方が、程よ い固さで気持ち良いと思いました。直接座椅子のように座る場合は、身体に沿った形になる合皮のカバーが座りやすいので、用途に応じて使い分けられるように 布と合皮、両方買うのも手ですね(ガイド納富は2個買いました)。
ソファの端に置いて、横になる際の背もたれにすると、読書から昼寝まで幅広く対応する |
また、ソファの端に置いて、そこに背を預けてソファに横になるスタイルも好きです。この形だと、上体はほぼ真っ直ぐ立っているのに、背中はしっか りとクッションに包まれて、とても快適。このまま寝ることもできるし、本を読んだりiPadを使ったりするのに良い形なのです。他にも二つ並べて片方に座 り、もう片方を肘掛けにするのも贅沢な使い方ですが、これがまた気持良いのです。この原稿も実は「tetra」に寄り掛かってiPadで書いているのですが、このゆったり感は他では味わえません。
ガイド納富の「こだわりチェック」
この気持良さは、要するに、床に直に座る気持良さなのでしょう。だから、ソファとも共有出来ます。椅子の高さの快適も、床の高さの快適も、どちら も楽しめるのは日本の建築事情の素晴らしい部分の一つだと思います。リビングに置いて使っていると、いっそソファは捨ててしまおうかと思ったりするくら い、「tetra」は楽で気持良くて場所を取らないのですが、ソファはソファで捨て難く、人間の快適への欲求は中々凄いものがあるなあとか考えながら、今もソファに座って足を「tetra」に投げ出しています。
何でも、この「tetra」は、京都の旅館でも採用されてい るらしいのですが、それも頷ける佇まいと色の良さ。そのデザインは、クッションと呼ぶにはかなり男性的というか、男女問わずに部屋に置けます。座椅子やソ ファ的に使えるクッションでユニッセックス(しかもやや男性寄り)というのは、かなり珍しいのではないでしょうか。ガイド納富が買ってくるものに、あまり いい顔をしない、家の奥様にも、このデザインと座り心地、そして軽くて移動しやすいので掃除がしやすいことなどから大好評でした。それは、本当に珍しい事 なのです。
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