数少ない正解のロディア用ケース
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ロディア用のケースは色々ありますが、それを見るたびに不思議な気分になることがあります。本来、ロディアは立ったままメモが出来るようにと作られたもの。そのため、厚い底紙と丈夫な表紙がついていて、表紙を背面にまわすことが出来るようになっています。それはとても良くできた工夫で、それをわざわざケースに入れるのは勿体ないような気がしていました。
だから、cyproductの斎藤義幸さんによる「ロディア専用のデスクトップケース」を見た時に、「なるほど、これならケースの意味があるなあ」と、まるでずっと考えていたクイズの正解を聞いた時のようなスッキリした気分になりました。ロディアの持つ機動性はそのままに、ペン挿しとジョッター的なポケット、そしてしっかりとしたボード。つまり、ロディアに足りなかった部分のみを足すような、そんなケース(というよりボードですけど)なのです。
よくある一番小さいNo.11用ではなく、二回りほど大きなNo.13用なのも、持ち歩くためのケースではなく、家で使うためのボードであることを主張しているようで好きです。実際、思いついたことを書き留めるのは、No.11では小さ過ぎるんです。あれは本当に、ちょっとメモするもので、そういう意味で「外用」と言えるかも知れません。
ロディアと革ケースの正しい関係
裏のポケットに書いたメモを一時保存
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何にせよ、お気に入りの革ケースというのは良いモノです。使っている内に馴染んできて、ツヤとかも出て、変化していくのが革小物の魅力の一つですが、それが日常的に使う物のケースなら、いつも触っているから、育つ速度も速くなって、手にもすぐに馴染んで、いつの間にか、手放せないものになっていきます。
齋藤さんは、このロディアのデスクトップケースを、「ベッドでごろごろしながらメモがとれるように」作ったのだそうです。つまり、そのくらい、どこででもメモが取れるケースなのです。そして、裏側にはポケットがついています。ガイド納富は、ベッドでごろごろしてアイディアとかを書き留めたら、そのメモを切り離して、裏のポケットに収納します。
ロディアの魅力の一つは、このメモを切り取る時の感触の良さですから、もう次々に切り取ります。書いては切り取り、書いては切り取り、アイディアの断片がケースの裏側に溜まっていきます。この、切り取ったメモを入れるため、というのがガイド納富のロディアにケースを求める一番大きな理由です。これが無いと、ロディアはかなり使いにくくなります。このケースは、ポケットが大きいのでメモが入れやすく、取り出しやすく、それもまた、ケースが上手くロディアの機能を引き出しているように思えます。
一枚革を上手く使った機能のための美しいデザイン
革を巻いた部分がペン挿しになる構造が美しい
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一枚のボードを、しなやかな弾力がある革がくるりと囲んでいるデザインは、必要最小限の構成でメモを挟む部分とペン挿しとポケットの機能を作り出しています。革の厚みや柔らかさなどを見ると、メモを支えるボードという機能に最適な革が選ばれているのが分かります。
裏にはロディアNo.11がピッタリ収まる
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ポケットの部分に入った斜めのラインから直線になる、その直線部分の長さと、ロディアNo.11の横幅がぴったり同じなのは、偶然なのでしょうか。ガイド納富は、そこにNo.11を差し込んで、あまりにピッタリなので、小さいメモが好きな人は裏側を使うように作られているのではないかとさえ思いました。でも偶然にせよ、機能に準じつつ美しくデザインしたグッズなら、そういう偶然は当たり前に起きるものかも知れないとか考えていました。裏も表も満遍なく使うのも、革小物使いの鉄則です。
次のページは、cyproductの齋藤さんが作った「革製のスリッパ」です