手帳を選ぶということ
「ほぼ日手帳2005」革セット
価格6,800円(税込) |
手帳選びを突き詰めて考えると、その帯に短しタスキに長し的な既製品の微妙な違和感にイライラしてきて、自分専用の手帳を作ってしまいたくなったりします。もちろん、そう簡単に自分用の手帳が作れるはずもなく、既製品の中から、最も自分の用途に合いそうなものを選ぶことになります。毎年、手帳選びを繰り返す人は、それまで使っていた手帳に、やはりどこか不満があるのでしょう。
糸井重里氏がプロデュースする「ほぼ日刊イトイ新聞」でも、その忙し過ぎるスケジュールをどうにかしたいという糸井氏とスタッフの考えから、本当にオリジナルの自分たちに合わせた手帳を作ってしまいました。それが、2002年のことです。
「ほぼ日手帳」は当初から画期的なアイディアが多数盛り込まれていました。ただ、手帳のような、本当に毎日使う、しかもビジネス用途でも使うツールは、アイディアだけでなく、完成度というか、洗練されたフォーマットが必須なのですが、その部分でまだ粗削りのように感じたのです。「ほぼ日」のスタッフには便利かもしれないけど…、という感じがしたことを覚えています。
しかし、そのスタートから既に今年で4冊目。毎年毎年、実際に使って、使用感をモニターして、細部をリファインしながら成長してきたわけですから、その完成度は驚くほど上がっています。一つ一つの変化は小さく、コンセプトそのものも、最初から変わっていないように見えるのですが、手帳のようなツールは、本当に小さな、例えば、今回の「ほぼ日」手帳で、ToDo用のチェックボックスが右から左に移動した、というそれだけでも、使い勝手は飛躍的に向上するものなのです。完成度を上げるというのは、そんな小さな部分の隙を埋めていく作業のことなのです。
手帳を作るということ
実際、自分のオリジナル手帳が作りたいと思っても、そして作れるだけのお金と設備があっても、手帳は簡単に作れるものではありません。そのレイアウト一つとっても、時間軸をどう管理するのか、長期予定と短期予定を使い分ける方法は?、などと考えていくと、結局既製品の一部を変更しただけのものになりがちなのです。
ということで、ズルイようですが、人が作ってくれたもので、それが凄く良いなら、しかも自分の意見なども取り入れてもらえるものなら、それを使うにこしたことはありません。例えば、ガイド納富には必須の機能として「深夜の予定も書き込めること」というのがあります。それを実現しているのは、伊東屋オリジナルの「24時間手帳」とこの「ほぼ日手帳」くらい。そういう独自の機能が盛り込めるところが、オリジナル手帳の面白さ。その部分が自分の用途に合っていれば、その手帳全体が、自分に合ってるかもと思えるのです。
ナイロンと革、好みに合わせて選べる
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基本は1日1ページの予定表
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例えば、ガイド納富が「ほぼ日手帳」を気に入っている理由の一つに、文庫本サイズで、開きが良い、という点が上げられます。持ち慣れた、しかもポケットサイズより少し大きく、コンパクトながら書くスペースがたっぷりとれる文庫本サイズは、私にとって理想的。そして、押さえたりしなくてもキレイに開きます。これは紙の選び方の良さと丁寧な製本の合わせ技。実際に製本作業を行うと分かるのですが、きちんと紙の目が左右に通っていて、糸でかがってページを綴じていけば、このように、キレイに開く本が出来上がります。そのこだわりと、実際の使い勝手の良さ、何より「本」としての出来の良さが嬉しいのです。このあたりが大量生産品との大きな違いですね。
手帳を持つということ
「ほぼ日手帳2005」の詳しい機能や色んなオマケなどについては、「ほぼ日ストア。」のサイトを見てもらうとして、ここでは「持って嬉しい道具」としての手帳を考えてみます。まず、カバーの質感や色。実は手帳を使うのには関係ないようですが、毎日使う道具の絶対条件は機能や使い勝手ではなく「デザインが好きか」ということなのです。気に入ったデザインだからこそ、毎日持ち歩き、毎日使うことが出来ます。人間、意外に感覚の生き物なので、デザインが気に入らないと、何となく使わなくなったりするものです。
その点で、ナイロンカバーを7色、革カバーを4色揃えた「ほぼ日手帳」は、そんな「毎日持つ道具のポイント」をしっかり押さえている感じです。さらに、本体が文庫サイズなので、市販のブックカバーが使えるのです。手帳専用と思うと買いにくい替えカバーも文庫本にも使えるとなれば、ちょっと良いモノを買うことも出来そうです。もちろん、文庫本を「ほぼ日手帳」のカバーに入れて持ち歩くのもありでしょう。ポケットいっぱいで、栞も二本用意された「ほぼ日手帳」のカバーなら、本と身の回り品をまとめて持ち歩くことが出来たりしてしまいます。
2本の栞と豊富なポケットが特徴のカバー
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カバーを付け替える愉しみも
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付属するペンも書き味などを考えた上で選定された良いものなのですが、普段使っているペンを挿すとさらに使い勝手とステータスが上がりそうです。表紙を留める機能もあるペンフォルダーは、かなり太めに作ってあるので、ほとんどのペンを利用可能。無印良品の名作「6色ボールペン」(400円)がちょうど入る大きさです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
ナイロンセット(3500円)に無印の6色ペンを挿してみた
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この「ほぼ日手帳」は、毎年、予約のみで受注生産されています。今年も、既に予約は終了したのですが、ユーザーからの強い要望で、12月の上旬に数量限定(1万部)で追加販売されるそうです。予約販売では、下敷きやボールペン、ミシン目付きのメモ帖といったオマケも付きます。買い損なった人は、この機会を逃さず購入しましょう。また、全国のLOFTで店頭販売も行われています(こちらは、在庫がなくなるまでの販売だそうです)。
ただ、手帳の選び方は本当に使う人次第です。例えば、文庫サイズの手帳は、安野光雅デザインによる、ちくま文庫の「文庫手帳」(609円)を始め、能率手帳などにもあります。クオヴァディスも使いやすいですし、最近ではモールスキンの手帳も手に入りやすくなりました。そして、その中のどれが自分に向いているかは、実際に使ってみないと分からない、というのが手帳の恐ろしい所であり、面白い所でもあります。
そんな時、まず基本機能をチェックしてOKなら、次はデザインや手に馴染むかどうかをチェックしてみてください。それで気に入れば、1年くらいなら十分使いこなせると思います。ガイド納富としては、今年は、この「ほぼ日手帳2005」が、最も手に馴染んだということです。万人向けではないと思うのですが、「手帳に書き込む」ということが好きな人なら、きっと気に入るはずです。
「ほぼ日手帳2005」
ナイロンセット:3500円、革セット:6800円、手帳本体のみ:2000円(各消費税込、送料別)
今回ご紹介の「ほぼ日手帳2005」の詳しい解説とご購入は以下のサイトからどうぞ。
▼「ほぼ日手帳」の生みの親は「ほぼ日刊イトイ新聞」
▼「ほぼ日手帳」についての情報は「ほぼ日手帳2005」
▼「ほぼ日手帳2005」の詳しい解説と購入は「ほぼ日ストア。」