メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

SLKクラスもエンジンをはじめ大幅改良(2ページ目)

今やかなりの数となったメルセデスの車種ラインアップの中で、もっとも「スポーツカー」していると思しきSLK。2代目となる現行モデルの登場から4年が経過し、エンジンをメインに大幅に改良、より魅力度を高めた。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

安心感の中にあるドライビングプレジャー

メルセデスのオープンモデルらしく、オープン時の風の巻き込みもよく抑えられている
ひさびさにドライブしたSLKは、やはりメルセデスが手がけたスポーツカーだということをあらためて感じさせるものがありました。メルセデスの場合、ごく普通にラインアップされているクルマも、いずれも剛性感が高く、シュアなステアリングフィールと一体感のある走りを実現しています。その点はSLKも同様で、それらとSLKの間に、さほど明確な違いがあるわけではありません。あくまでいい意味で……。

ではSLKのスポーツカーとしての味はどこあるかというと、このクラスとしては比較的軽量であることが挙げられます。とはいっても1.5tはあるわけですが、今どき1.5tに抑えたのだからヨシとしてもいいのでしょう。そして、ホイールベースが2430mmというのもポイントで、機敏なハンドリングには、このくらいショートホイールベースであるほうが好ましいのす。車体剛性が高く、比較的軽量で、一体感のある走りを楽しめます。

ダイレクトステアリングは、SLK55 AMGに標準、V6モデルにオプション。駐車時やスポーツ走行を楽しむ場合に、よりクイックなステアリングレシオとなる
新たに投入されたダイレクトステアシステムは、速度に応じてステアリングギア比を変化させる機構で、低速走行時はクイックな設定(ロック・トゥ・ロックは最大で23%減少)に、高速走行時はギア比をスローな設定に連続的に変化します。これによりスポーティな運転感覚を高めつつ、低速での取り回しの良さと高速直進時の安定性をともに向上させています。こうしたアイテムはBMWが先鞭をつけたのですが、後発ということもあり、メルセデスのものはいきなり完成度が高く、あまり違和感を覚えません。直進安定性も損なわれておらず、最近よく使われる「アジリティ(=俊敏性)」を上手く演出しています。

クーペにもオープンにもなるバリオルーフ。センターコンソールのスイッチを操作してから約22秒ですべての動作が完了する

バリオルーフのおかげでクーペからオープンに変身するのもいたって簡単。オープンにしても風の巻き込みが非常に小さく抑えられているあたりも感心します。

他メーカーのライバルの、たとえばZ4やボクスター、TTあたりと比べた場合、SLKのアドバンテージというと、やはり安心感と快適性、そして信頼性だと思います。やはり、SLKもメルセデスのうちの1台。いたって快適で、スタビリティの高いスポーツカー。メルセデスはSLKであっても、そのあたりのポリシーを貫いているのです。それでいて、コンパクトなFR車ならではのドライビングプレジャーを、絶対的な安心感とともに持ち合わせています。

個人的な話ですが、スポーツカーを買うなら、スポーツカーを得意としているメーカーがよくて、SLKの価格帯でいうと、これまでボクスターをイチオシと考えていた筆者ですが、ひさびさにSLKに触れて、その思いがけっこう揺らいでいます……。

SLK55AMGの走りをさらに特別なものとする、AMG5ツインスポークアルミホイール、カーボンインテリアトリム、AMGパフォーマンスステアリング、AMG強化ブレーキシステム(専用)、AMGスポーツサスペンション(専用)で構成される「パフォーマンスパッケージ(価格84万円)」も用意
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