今年の東京モーターショーにおける日産のプレス・ブリーフィングで、カルロス・ゴーンは「07年にGT-Rを発表する」と語った。この発言は当然大きな話題を呼び、自動車専門誌もこの発言からページを興したほどだ。
GT-Rを発表するというマニフェストは我々に期待を持たせたが、同時にそれが「07年である」という事実だったことに落胆した人も少なくなかっただろう。
前回の東京モーターショーが開催されたのは01年のこと。その時突如姿を現した日産GT-Rコンセプトはあくまでコンセプトと謳われたが、誰もが数年先には違う姿に進化して市販されるのだろうと思わされた。しかし2年後の03年東京モーターショーに、市販版日産GT-Rの姿はなかった。
最近、興味深い資料を日産からいただいた。日産自動車の近年における開発費の推移だ。これを見ると2000年当時に比べ、現在では55%もアップしているのである。ちなみに設備投資費の推移も合わせて示されているが、それも同じくらいで2000年に比べ約50%アップしていた。
そう考えると、01年登場のGT-Rコンセプトが03年に市販版として登場していないという部分に納得が行く。2000年比でみれば、GT-Rコンセプトがお披露目された2001年の開発費/設備投資費は増えているわけだが、当然現在の比ではない。またコンセプトモデルにつぎ込む費用というのは、直接開発費や設備投資費とリンクしているかどうか不明なので、これはあくまで僕の個人的な推測になるわけだが、開発費や設備投資費は当然その時の会社の状態を反映するものである。
その意味でも、01年に日産GT-Rコンセプトを登場させた時の日産というのは、まだ今ほどに堅調ではなかったといえる。だが、当時の日産の動きからも分かるように、あの頃は新たに生まれ変わった日産を強くアピールしていた頃でもある。情勢的には苦しいけれど、対外的なアピールは必要な時期…そう考えると01年にGT-Rコンセプトは送り込んだものの、03年にそれが現実になっていないことに納得がいくのである。