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ドラテクNo.01 安全、快適なドライブのために(2ページ目)

クルマの性能や快適性は日進月歩で格段に進歩したが、ドライバーの運転技量は相変わらず。運転技量の向上はレジャードライブを楽しくするためにも重要なポイント。とくに床面も重心が高いミニバンやSUVはドライバーの運転技量の差が出やすい。同乗者にも優しい、うまい運転を心がけて、この夏のレジャードライブをもっと楽しく過ごそう。

執筆者:川島 茂夫

ドライバーと同乗者の最も大きな違いは、次に起こることへの予測にある。自分が運転しているのだから、ドライバー運転によって起こる様々な現象、例えばブレーキで身体が前にいくとか、ハンドルを切って横Gが発生するとかいったことに、あらかじめ身構えることができる。実際には無意識に身構えるのだが、この差が大きい。ドライバーはそれほど感じないのに、同乗者は前後左右に身体が振られて不快、というのもよくある話。自称名人型のドライバーはとくにその傾向が強いようだ。

同乗者から下手な運転と思われないためには、各操作にちょっとしたコツがある。これからこうなりますよ、というインフォメーションを同乗者に与えるのだ。もちろん、言葉で伝えるわけではない。ブレーキでいえば、まず身体を揺すられない程度の軽いブレーキングで、同乗者に身構えさせてから、強めのブレーキングに移行する。ハンドル操作ならば初めはゆっくりと回し始めること。その操作は連続的かつ滑らかに行うのは、前に述べたとおり「基本中基本」である。

もうひとつのコツは、力の加わる方向と向きを短時間に、頻繁に変化させないことだ。例えば、コーナリング中、前後方向には減速が増加して、減少して、緩やかに加速に移り、徐々に加速度を高める。横方向ならば横Gはじわりと上がり、減速度の減少とともに増加、加速に移る直前に横Gが最大値になり、加速度の増加とともに横Gは減少する。このような力の加わり方では、同乗者はあまり身体が揺すられない。同乗者身体は、初めに前に引っ張られてからは、そのまま円弧を描くように動くことになる。しかも、コーナリング全般を通したゆっくりとした動きなので、負担が非常に少ないのだ。下手な運転では一回のコーナリングで前後左右に何回となく揺すられてしまう。

ミニバンやSUVのように着座位置が高いクルマでは、クルマの動きが誇張されやすいので、前記したような運転は、同乗者に心地よく楽しいドライブでは非常に大切である。

今回は、このくらいでひとまず終えるが、最後に宿題をひとつ。この答えが分かって、それを実践できれば、あなたは間違いなく「運転の名人」になれるはずである。

問題:前述したような方法の理想的な運転では、半径が一律のコーナーでのコーナリング中に、クルマの各サスペンションは一回しか縮んで伸びない。それは何故か。
また、この時にクルマの描く走行軌跡(コーナリングライン)が楕円(2次曲線)になるが、そのためにはどのような運転操作が必要か。
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