Made in フランスのアディダス...
「フランス産のアディダスって、どうなの?」とずっと思っていた。
と言うのも、アディダスほど、原産国が取り沙汰されるスニーカー・ブランドは、他にないからだ。
マニアは、"フランス産のアディダス"について、やたらと饒舌になる。いわく「革質が違う」、「形が違う」云々...
それでは、自分も手に入れて、どこがどう違うのか検証してみようか、と思っても、これが意外と物がない。スタンスミスやスーパースターという、永遠の定番モデルになると、ほとんど底が抜けていたり、かかとが破壊されているような物でも、ヴィンテージと称して、結構な値段が付けられている。
今はもう作られていない物に、ヴィンテージとしての価値を置く、そんな衣服へのディレッタンティズムは、私にはないので、何かのついでに見つかった時でいいか、と思っていた。
ところが、本国フランスに出向いた時でも、(ついでに)見つかる物ではなかった。予想したより、全然ないのである。コンディションがまともな、スタンスミスやスーパースターに出会うより、程度の良いヴィンテージのエルメスのケリーやバーキンに出会う可能性の方がまだ高かった。
知り合いのパリの古物商などにも、もしあったら、声をかけて、と頼んでおいたのだけれど、期待はしていなかった。 ついでに見つかるものでもないし、かといって、躍起になって探すほどのものだろうか、という気持ちもあった。
で、先日たまたま、日本のある人から、そんなに高くはない値段で譲り受けたのが、こちらのフレンチ・メイドのスタンスミス。
"世界でもっとも売れたスニーカー"として、ギネスブックにも載っているスタンスミスは、これ以上シンプルにならない、というほどシンプルなデザインとなっている。
ファッション・デザイナーでも愛用者は多く、マーク・ジェイコブズ
氏などは、メディアに登場する時は、ほぼ決まって、白/緑のスタンスミスをはいているし、他にもコム・デ・ギャルソンの川久保玲氏がはいているのを、目にしたこともある。
現在は復刻版が発売されており、街でもっとも多く見かけるスニーカーであることに変わりはない。
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