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10/20まで『あなたの一票』のコーナーで、「ローリング・ストーンズと女たち」というテーマで投票してもらったのだけれど、個人的にもかなり興味があった。
特殊なテーマのわりに、結構投票が集まったのは、意外でもあった。 |
結果は、他を引き離すカタチでマリアンヌ・フェイスフルがトップ。
途中まではアニタ・パレンバーグと並んでトップだったので(やはり‘60年代組が強い!)と、納得していた部分もあったけれど、後半に、マリアンヌへの票がグンと伸びた。
最近ではビビアン・ウェストウッド(レッド・レーベル)が「ミック・ジャガーの恋人たち」というテーマで、過去数十年のミックの妻や娘たちをモデルに起用してコレクション・ショーをおこなっているが、そのイメージはファッションにも少なからず影響を与えているようだ(現在、ビアンカ・ジャガーをイメージしたアイテムを展開中のセレクトショップ『chel』など)。
今回とりあげた四人の女性たちは、それぞれが異なる際立った個性で、色褪せない魅力を放っている。
アニタ・パレンバーグのもつ魔性は、ストーンズの代名詞的なイメージでもあるし、ビアンカ・ジャガーのエキゾチックなセクシュアリティ、ジェリー・ホールのゴージャスな雰囲気も、あの時代特有の魅惑を感じさせる。
そしてマリアンヌ・フェイスフルからは魔性というよりも小悪魔的で、エキゾチックさやゴージャスさではなく、キュートなイメージが感じられる。
たとえば上の写真のような、白いレースのブラウスが似合う聖少女のイメージと、映画『あの胸にもういちど』(写
真右)で見られる、 素肌に黒のレザースーツをまとい、不倫相手のもとへハーレーをぶっとばす、という頽廃的なイメージが、微妙に同居しているのがマリアンヌの魅力だった。
ちなみにこの映画でのマリアンヌのスタイルは、『ルパン3世』の峰不二子の原型になっていると言われている。
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ツィッギーのミニスカートのドールライク(お人形さん的)なスタイル、あるいはBBのコケティッシュなお色気、ジェーン・バーキンのトランス・ジェンダー(中性的)な雰囲気など、‘60年代のミューズたちには、ただ可愛らしいというだけではない、キュートな魅力がある。
そのなかでも、マリアンヌはもっともアンビバレンツな存在で、マスコミからは「セクシーさと処女性をもつアンチヒロイン」「堕落した道徳のシンボル」などと形容された。
古い価値観が急激に崩壊していった時代に、貴族の血をひくアイドル歌手のマリアンヌが身をもち崩してゆくさまは、単なる芸能人のスキャンダルを超えて、社会の神経(モラル)そのものを逆なでするような出来事だったに違いない。
「マリアンヌほど完璧に、‘60年代のロンドンを体現していた女性は他にいない」と言われる理由もそこにある。
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