パンク&ニューウェーブの華麗で艶やかさをミックス
ミスマッチを成り立たせてしまい、どこにもない組み合わせを実現するのが、スタイリングの天才、アナ流です。色はグラムロックの基本カラー、黒、白、赤のコンビネーションが軸になっています。コレクションにはドレスがたくさん登場しました。シルエットは短めで、ボリュームはたっぷり。ロココ調を思わせるシルエットですが、18世紀のような硬い服ではなく、「軽さ」を主張しています。風船のように膨らんだ袖や、ネットのペチコートなどが目をとらえます。軽やかな素材のパフスリーブの甘い雰囲気のプリント・ミニドレスです。ビニール素材のリボンベルトとグローブで、グラムロック・テイストをプラス。ドロシー・ドレーパー(アメリカを代表するインテリアコーディネーター)風の壁紙に描かれているような花がプリントされています。甘さに毒っ気を盛るセンスはさすがアナです。 (アナ スイ2007年春夏NYコレクション) |
80年代のニューロマンティック時代の追憶がコレクションに影響を与えました。ニューロマンティック時代のバンド「BOW WOW WOW(バウ・ワウ・ワウ)」や「ADAM AND THE ANTS(アダム&ジ・アンツ)」の音楽を、ショーのBGMに使っています。ニューロマンティックの主なグループにはデュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、カジャ・グー・グー、ヒューマン・リーグなどがあります。
「Prince Charming」
70年代のNYのパンクロックバンド「NEW YORK DOLLS(ニューヨーク・ドールズ)」の着こなしからもインスパイアされています。
New York Dolls 「All Dolled Up」 |
「ニューヨークドールズ」のドキュメンタリー映像「「オール・ドールド・アップ」がきっかけで、70年代の艶やかな衣装の黒、白、赤などがアナのイメージを広げたようです。撮ったのは、ジョン・レノン、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、ボブ・マーリーなどの有名ミュージシャンや、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ラモーンズ、パティ・スミスなどのパンク&ニューウエーブ系音楽バンドなどの写真を撮り続けるロック写真家Bob Gruen(ボブ・グルーエン)です。
次のページでは、ついに、アナ・スイ&ソフィア・コッポラの記念すべきコラボレーションが実現!アナ スイ コスメティックスから映画を記念して限定で、「マリー・アントワネットの秘密の小箱」が発売されます!詳しくご紹介します!