NYのファッション業界で活躍する女性たちシリーズ第2回。
今回はNYコレクションでのスポンサーシップによって、ダイレクトにデザイナーたちと交渉したり、新人を支援するプログラムで業界を力強くささえる日本の力!
資生堂の尾関弘子さんをご紹介します。
HIROKO OZEKI/尾関弘子さん
資生堂コスメティックス(アメリカ)
PRアシスタント・マネージャー
PROFILE:大阪生まれ。タラサ志摩などでキャリアを積んだ後、94年ペンシルバニアへ。その後、NYのNoriko Fuku & Associatesでインターン、日系のTV製作会社勤務でも勤務。NY大学のグレイ・アート・ギャラリーで開催された「Face to Face Shiseido and Manufacture of Beauty 1900-2000」展で資生堂と出会い、99年に就職。
★お仕事の内容は?
年2回、NYコレクションでスポンサードするデザイナーの選択などファッションと関連したプログラムの推進、ソーホーにあるショールームShiseido Studioでのアートプログラムの企画がメインです。
★2003年秋冬NYコレクションでは
今シーズンは、若手デザイナー、ザック・ポーゼンとプロエンザ・スクラーのスポンサード、そしてマリア・コルネホ・ゼロ、ドゥー・リー、香港デザイナーのグループショーに関してはメイクアップチームの提供をさせていただきました。ザックおよびプロエンザはThe Makeupラインのクリエーターでもあるアーティストのトム・ペシューがショーメイクを担当しました。
左:Maria Cornejo Zeroのショーの直前。エリン・オコナー。右:Zeroのショーのラスト。
★スポンサーとなるデザイナーを選ぶには。
選択のポイントとしては資生堂とデザイナー、両者のイメージ、スタイルが一致すること。アメリカ市場において資生堂はまだまだ若い会社なので、その位置づけも踏まえたうえでマーケティングし、デザイナーを選んでいくことが大切です。デザイナーとの友情関係とかで決まることはありえません。
★デザイナーとコンタクトする秘訣
Eメール攻撃(笑)。といっても、ザックの場合はすでにお母さん(注:ザックのPRはお母さんが取り仕切っていることで有名)を知っていたし、プロエンザの場合もPR会社の人と知り合いでした。どのデザイナーがいいか、というのは常に業界の人と連絡を取り合って情報を仕入れています。プレス、スタイリストの評判というのは非常に重要。いくらデザインがよくても、プレス関係に人気がないと大物にはなっていかない。その点、プロエンザは今回がデビューながら『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンターのお墨付きという噂が立っていました。実際、ふたをあけてみたら大正解。作品もすばらしく、資生堂としてはパーフェクトともいえるスポンサードができたと思います。
左:セレブにも大人気のデザイナーZac Posenのショー。モデルはカロリーナ・クルコヴァ。
右:Doo.Riのショーで。プレスの人とお話する尾関さん。
★他、一緒に仕事をしたデザイナーたち
2001年2月にはブルース、翌年にはベンジャミン・チョーのスポンサーをしました。特に、ブルースはCFDA(アメリカファッション協議会)の新人賞も受賞、業界からも評価を受けました。また、昨年はShiseido Studioでスーザン・チャンチオロの展覧会もしました。
★そもそも資生堂に入社したきっかけ
99年資生堂の回顧展「Face to Face」がNY大学で企画され、そのコーディネーターとして雇われたんです。このプロジェクトには資生堂とギャラリーの間に立ち、中立的な立場でキュレーション、カタログ、会場デザイン、照明、PRなど全ての要素に関わりました。いろんなドラマがあったとても大きなプロジェクト。でも、すごく楽しかったし、ラッキーでした。
次のページではまさに波乱万丈!?な尾関さんのNY上陸秘話を
大公開!
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