離婚/子どもの問題

親権者と監護者は、どうやって決める?(3ページ目)

「離婚したら、子どもはどちらの親につくべきか?」未成年の子どもがいる夫婦が離婚するときに大きな問題となるのが「親権」について。今回は、親権や監護者のことについてケース例をあげて見ていきましょう

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

「監護者」として子どもと暮らす方法

兄弟姉妹がいる場合はできるだけ一緒に暮らす、というのが一般的な考え方です

兄弟姉妹がいる場合はできるだけ一緒に暮らす、というのが一般的な考え方です

「どうしても子どもと一緒に暮らしたい」「夫に子どもを渡したくない」となどと親権にこだわりすぎて離婚の手続きがなかなか進まないというケースもあります。そんなときは、「親権は夫にゆずって自分は監護者になる」という選択方法も考えてみてはいかがでしょう。

「監護者」とは、実際に子どもを引き取って育てる者のことをいいます。戸籍上は「親」としての記載はないものの、実際に子どもと暮らし、養育費を受け取ることで子どもと生活をしていかれるというわけです。離婚や親権に関して早い解決ができ、精神的にも安定するというメリットがあります。そして、親権を譲ることで相手が子どもに対しての養育費などの責任を果たしてくれるメリットもあります。

「親権者」の変更はできる?

一度、決めた親権者を変更するには、家庭裁判所で親権者変更の調停か審判が必要になります。これは、親の都合で子どもが“たらい回し”になるのを避ける意味もあって、当事者同士の協議では決定できないことになっているからです。

変更の申し立ては、子どもの両親か祖母や祖父母など親族ならできますが、子ども本人ではできません。また、親権者と監護者が異なる場合でも、必要があれば監護者の変更もできます。親権者の申し立てがなされた後は、家庭裁判所の調査官が現状を調べることになります。親権者の変更が認められる例としては、次のような場合があります。

【親権者の変更が認められる場合】
■親権者が長期入院や海外赴任などで、子どもの世話ができなくなった
■親権者の再婚相手と子どもがうまくいかない
■親権者が行方不明になった
■子どもへの暴行や虐待、労働の強制など養育する意志が認められない
■管理が不適当で、子どもの財産をおびやかした

もしも、親権者がいなくなったとしても、もう片方の親が自動的に親権者になることはありません。親権者になるには、上記と同様に親権者変更の申し立てを行うことになります。


このように、親権者の決定はあらかじめしっかりと話し合って決めておくことが第一です。“親権争い”を避けるためにも、子どもの気持ちの安定のためにも、お互いが少しずつ譲歩していくこともときには必要でしょう。なによりも、親は子どもの幸せを最優先に考えること。そうすることで、親権でもめたときの労力や時間の浪費は防ぐことができるのです。
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