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【緊急レポート】金融再編 加速! ついに統合!三井住友と大和

三井住友銀行と大和証券の統合がすっぱ抜かれました。この統合は今後の日本の金融界に大きな波を作るでしょう。この統合について分析してみたいと思います。

執筆者:保畑 公志

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こんにちは、保畑です。

またもや日経新聞のすっぱ抜きで、金融機関の大型再編成が明るみに出ましたね。三井住友銀行と大和証券の統合です。

実は、私、この統合をかれこれ待ちわびていました。というのも、そもそもこの統合は随分前から噂をされていたのです。

おそらくこの統合は、大和証券が住友銀行の資本を入れて大和証券SMBCを設立したときから決まっていたのでしょう。大和SMBC内はすでにもと三井住友系の人間がごろごろいますし、大和SMBCと大和証券の交流もありますから、事実上は大和証券内に三井住友の血はすでに入っていたのです。

おおむね高評価の統合

この統合に関しては、いろいろなアナリストたちは高評価をしています。また、発表があった2月10日の大和証券グループ本社(8601)は+37円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は+19,000円でした。

三井住友フィナンシャルグループの株価
大和証券グループ本社の株価

この2グループが統合することによって、金融のデパート化が一気に進みます。統合すれば当然共同で店舗を展開するでしょうから、同じ場所で預金、証券など様々な金融商品を購入できるようになります。もう少し具体的に書くと、大和証券との統合で三井住友銀行が株式の仲介を始めれば、三井住友の支店で大和証券の商品(投信、株(新規公開株含む)、債券など)を購入できるようになります。また大和証券が三井住友の銀行代理店になれば、大和証券の各店でローンなどの申し込みができるようになるというわけです。

支店も今までに比べると、一機に身近になります。三井住友銀行の支店は約600店、大和証券の支店は約120店。大和証券は関東に多く支店を持っていますが、三井住友銀行は比較的関西に多く支店を構えています。この相乗効果も大きいでしょうね。

また、口座数にも相乗効果が大きく現れます。三井住友の口座数は2700万。大和証券は250万。大和証券にとっては三井住友の強固な顧客基盤を生かせれば、証券販売は大幅に増え収益の相乗効果を見込めます。

リストラの嵐?

アナリストはこの統合について高い評価を下しているというのは株価を見ても明らかなのですが、逆に内部の人間にとっては大手を振って喜べない状況です。
これまで、大和証券は大手証券では唯一大きな人員削減を行ってきませんでした。ITバブルが崩壊し、日経平均が最安値を更新し続けていたときでさえ、大和証券は人員削減によるリストラは実行しませんでした。第三者の私から見ると、なにか「ポリシー」と言うか、「信念」のようなものを感じるほどでした。しかし、今回ばかりはその信念を曲げざるをえなくなるでしょう。

三井住友銀行の前身である「住友銀行」は、三和銀行(現UFJ銀行)とならんで関西地盤の「したたか」な銀行で有名だった銀行です。特に住友銀行は経営に関してはかなりドライで人員削減も都銀で一番に行った銀行です。今回の大和証券の統合では、そのリストラという「なた」が大きく振り下ろされることでしょう。しかし、人員を削減されるのは大和証券だけではないのです。

●大和証券の人余り
前述したように、大和証券はこれまで人員削減を全く行ってきませんでした。大和証券はもちろんのこと、大和SMBCにも余剰人員が多いと聞きます。統合後、大和証券の社員に対する希望退職やリストラは大規模に行われるでしょう。

●三井住友銀行にもリストラ
現在、銀行は「手数料収益」に経営の基盤を移してきています。昔は銀行の収益と言えば貸付でしたが、最近ではそれからの収益も上がらなくなってきており、投信や証券などの販売による手数料収入に比重を置いているのです。特に、三井住友銀行といえば、どの銀行よりも先にこの方針を導入し、投信の販売などでも他の銀行を圧倒する販売力を持っています。
今回の統合により、大和証券と三井住友銀行の支店の統合も大規模に行われるでしょう。そうなると当然ひとつの支店に余剰人員を抱えることになります。すると、どちらの人間を切るかというと、やはり証券販売知識のない元銀行員ということになるわけです。

●グループ内にもう一つの証券会社
更に、もう統合会社にはもう一つのリストラ対象会社があります。三井住友グループが保有する証券会社であるSMBCフレンド証券です。今回の統合の証券会社の中核は明らかに大和証券です。証券業界ではSMBCフレンドと大和証券の体力さ、および実力差は雲泥の差です。SMBCフレンドはこれまで合併・リストラを繰り返してきた会社ですが、今回はおそらく最大希望の合併・リストラになるでしょう。

東京三菱グループとの比較 三井住友銀行といえば、昨年の東京三菱銀行とUFJ銀行の合併に横槍を入れたことでも話題になりましたね。この大和証券との統合が規定路線であったとするならば、やはりUFJ信託買収は本腰を入れた交渉ではなかったのでしょうか?

答えはNoです。マジもマジ、大マジだったと私は思っています。三井住友銀行からしてみれば、銀行業界の再編に伴って日本国内で残るライバルは東京三菱銀行のみです。そして、国際証券との連携により三菱東京グループは証券業と銀行の統合をいち早く行いました。前述したように、三井住友にもSMBCフレンド証券がありましたが、SMBCフレンド証券と国際証券(現三菱証券)との体力差は明らかです。しかし、大和証券との統合が成功すれば、証券業界での争いには大きく優位性を持つことが出来ます。しかし、どうしても差が縮まらないのが、信託の部分なのです。

三井住友グループには「住友信託銀行がある」と思われがちですが、実は協力関係は全くありません。住友信託は旧住友銀行とは全く経営を別にすると宣言していますし、今後もちょっとやそっとでその方針を崩すことはないでしょう。そこで、UFJ信託をどうしてもほしがったのです。

●個人的な「三井住友vs.東京三菱」評

この統合により、「三井住友vs.東京三菱」という並びで色々な評論がなされることでしょうが、現時点で私の感想としては、三井住友が1歩前に出たと言う気がします。前述したように、大和証券と組むことによる三井住友の証券商品のラインナップは大きく改善するでしょうし、大和証券にとっても三井住友の顧客層を効果的に使うことが可能になります。信託銀行の顧客層に比べると直接的に収益になりやすいでしょう。

とにかく短中期的にはこの両者は「買い」判断でいいと思われます。


以上、保畑でした。

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