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物納申請は減少。未処理件数も減少。 相続税物納状況。現場からの推論(2ページ目)

このほど2001年度の相続税物納申請状況が国税庁より発表されました。これを基に、現在の実務状況を推論してみました。

執筆者:天野 隆

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(推論2)なぜ処理未済件数が減ったのでしょうか?

理由1:ここで少し推理してみましょう。まず、相続財産の評価額は、被相続人が亡くなられた日の評価額になります。物納の申請は相続税の申告期限時(亡くなられてから10ヶ月後)にしなくてはなりません。ここで申請しませんと物納申請を受け付けてもらえません。

国税局が実際にその土地を収納(物納が許可される)されるまでにどのくらいの期間がかかるかと申しますと、申請してから、大体2~3年後になります。現在、土地の価格は下がっていますから、相続が発生した当時の評価と許可が下りた時の価格ではかなりの開きがでるわけです。

例えば、相続発生時の土地の路線価が1平米60万円だったとします。もし1000平米の土地を所有していたとすると、6億円です。3年後収納時の価格が50万円になったとしますと、5億円になってしまうわけです。では物納する土地は5億円になってしまうのでしょうか?いいえ、ちゃんと6億円で国はとってくれます。ですから納税者には不利にはならないのでよいのですが、国は1億円の損失となるわけです。

ここから国は国有財産となった物納の土地を売りに出します。(これを「払い出し」と言います。)ここでまた売れるまでに1年かかったとします。1年後土地の価格がまた更に下がって4.5億円になったとしますと、国は6億円で買った土地を4.5億円で売るわけです。ということは1億5千万円の損をしたことになります。

このことから、国は物納された土地の処理を早めないと、土地が下がっている時には損をしてしまうことになります。国が損をし続けては大変ですから、少しでも早く処理をしなければいけませんので頑張っているのではないでしょうか。

物納が完了しないと納税者は落ち付きませんので処理能力が向上していることは好ましい事です。

理由2:申請件数が減ったために処理能力は変わらずに、未処理件数が減少したという説です。

いずれにしても、未処理件数が減少する事は、納税者から見ると結果がはっきり出るので嬉しいものです。

以上、相続の専門家である私が色々な事例から推測をしてみました。これは国税局の発表ではありません。お間違えのございませんように。
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