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史上最高!贈与税1600億円の申告漏れ「武富士」事例 相続対策で注意!国外の財産

先日、「武富士」前会長の長男が史上最高の贈与税1,600億円の申告漏れで1,300億円課税されたと報じられました。相続税対策の観点から、このニュースの解説と現在の状況をまとめてみました。

執筆者:天野 隆

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海外街
国外財産にも相続税が課税される場合があります。
先月、「武富士」前会長の長男が史上最高の贈与税1,600億円の申告漏れで1,300億円課税されたと報じられました。相続税対策で色々とお考えの方もいらっしゃると思いますので、今回は、このニュースの解説と現在の状況をまとめてみました。

一言で言えば

「外国に住む者が国外財産を贈与により取得した場合には、日本の贈与税は、課されない。」ことを利用して、贈与した。しかし、東京国税局に、贈与を受けた者の生活の本拠は日本にあったとみなされて課税されたという話です。

事の顛末

武富士前会長夫妻が、武富士株をオランダ法人(武富士前会長夫妻の出資)に約1,000億円で売却(売却資金は夫妻が法人に貸付)。この時点で、夫妻の所有する武富士株(国内財産)は、国外財産であるオランダ法人株に変わりました。
そのオランダ法人株を香港に住む長男に贈与。「外国に住む者が国外財産を贈与により取得した場合には、日本の贈与税は、課されない。」というルールにより、長男は、日本の贈与税を納めずに武富士株を間接的に所有する。というスキームでした。
しかし、東京国税局は、長男が97年に香港に移住し、03年に住所を国内に移すまでの生活実態に着目し、明らかに相続税・贈与税対策であると結論付けた。そして、長男の生活の本拠は、国内にあると判断し、贈与税を課税した。というものでした。

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