寄与分とは?

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特別の貢献とは?
民法では相続人のうち、故人の生前における財産の維持や増加、あるいは故人の療養看護などに特別の貢献があった者については、遺産分割において、法定相続分によって取得する額を越える遺産を相続できると定めています。このように、被相続人に寄与をした相続人が得る利益のことを「寄与分」といいます。

寄与分の決め方は、まず相続人の間での遺産分割協議によって定められます。その協議がまとまらないときは、寄与をした者が家庭裁判所に対して寄与分を定めてほしいと申立てできます。申立てをすると調停が行なわれますが、調停でもまとまらなければ審判になります。この審判は、家事審判官が相続人の話を聞き、調査をして審判を下すもの。従って、相続人だけで決めるものとは、全く違います。

審判ですと相続人の関係が対立状態であるため、寄与分がなかなか認められません。しかし、相続人の間での話し合いでは、他の相続人と完全に対立しているわけでないので審判より寄与分が認められるケースが多いです。

今回は、寄与分がその審判で認められたケースと相続人の間(遺産分割)で認められたケースを紹介します。

被相続人の事業に関する労務の提供で寄与分が認められたケース

このケースにおいて、審判で寄与分が認められる典型は、農業や自営業を夫婦・親子が協力して行っており、被相続人である夫や親が亡くなった際、妻や子どもに寄与分が認められるというパターンです。過去の審判例では農業が最も多いようで、農業を手伝う子に金額的に1000万円の寄与分や、遺産に対する一定割合の寄与分を認めたというようなケースがあります。

そのほか相続人の間での話し合いで決まった寄与分として、父の酒店を切り盛りし、父の所得を上げることに特別に貢献した長男に寄与分が認められたケース、ご主人の薬局経営に特別に貢献した妻に対して寄与分が認められたケースなどがあります。

財産上の給付によって寄与分が認められれたケース

被相続人の事業について資金、資産を提供したり、被相続人の借財を弁済したりした場合がこのケースの典型例です。審判例としては、被相続人が創業した会社に長男が資金の提供をしたケースにおいて、その長男に遺産の2割が寄与分として認められたというものがあります。

相続人の間での話し合いで寄与分が決まったケースとしては、倒産寸前の会社が社長の長男からの資金貸付で立ち直ったことから、その特別な貢献をした長男に寄与分を認めた、などがあります。