相続・相続税/遺言書の書き方

失敗しない遺言書の書き方(2ページ目)

遺言は、「法的に有効な遺言」を実現させる手続を理解したうえで行わなければ、せっかくの意思表示も無駄になってしまいます。今回は、遺言の法律基礎を確認しておきましょう。

執筆者:天野 隆

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遺言の各書式のメリット・デメリット

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遺言の種類の違いによるメリット・デメリットは?
遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。遺言作成において重要なのは「自分の意思に合っているか?」「効力があるか?」 という2点です。そのことを踏まえて、それぞれのメリット・デメリットを理解して、より自分に合った遺言を作りましょう。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、その名の通り自分で書く遺言です。基本的に、伝えたい内容を自筆で書き、日付を記入し、署名押印をすれば完了です。
■メリット
・費用がかからない
・自分ひとりで気軽に書ける
・証人が不要
・遺言書の存在と内容を秘密にできる

■デメリット
・紛失、変造、隠匿されてしまうことがある。
・無効になってしまう可能性がある。例えば、日付がないなどの事例をよく聞きます。
・記載内容の誤り・不備があると名義変更手続きが取れない可能性がある。
家庭裁判所の検認が必要(面倒だが簡単)

公正証書遺言

公正証書遺言とは、遺言者が公証役場へ行って(又は自宅に来てもらい)、公証人に書いてもらう遺言のことです。
■メリット
・家庭裁判所の検認が不要(公証人が作成してくれるため)
・紛失、偽造、変造の恐れがない(原本は公証役場で保管してくれるため)

■デメリット
・公証役場の手数料がかかる
・証人2人の立会いが必要
・公証人や証人に遺言の内容を知られてしまう
・公証人とのやり取りが難しい。作成の際、公証人が読み上げる法律上の表現が分かり難いかもしれません。
・公証人の代筆であるため思いが伝え難い

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言の内容は秘密にしておいて、遺言の存在だけは明確にしておく遺言のことです。作成方法は、自分で遺言を作り、封筒に入れて封印します。その遺言書を2人の証人の立会いのもと公証役場で、遺言者・公証人・証人が署名・押印します。
■メリット
・公証人の代筆でなく、自分の思いが伝え易い
・内容の秘密が守られる
・署名、押印以外は代筆やワープロでも構わない
・自筆証書のように自分で書けて、公正証書のように遺言の存在が明確になるという特徴があります。

■デメリット
自筆証書同様に内容に不備があれば無効になってしまう可能性がある
家庭裁判所の検認が必要(面倒だが簡単)

以上、3種類の遺言を見てきました。一般の人には、無効になってしまう恐れのある自筆証書よりも、法的に有効な公正証書遺言がお勧めです。資産家については、相続専門家の助けを借りて法的に有効な遺言を作成しますから、思いを遺せる秘密証書遺言がいいでしょう。


【関連記事】
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どの遺言で書けばよい?遺言の種類

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