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遺言に納得できないときは

父が亡くなり、遺言がありました。遺言の内容は、兄がほとんどの財産を取得するというものでした。私は、遺言の内容に納得できません。せめて遺留分相当を相続したいのですが、どのような手続になるのでしょうか?

執筆者:清水 真一郎

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遺言の内容に不満があるときは何をすれば?
Q.父が亡くなり、遺言がありました。相続人は、私(弟)と兄の2人です。遺言の内容は、兄がほとんどの財産を取得するというものでした。私は、遺言の内容に納得できません。せめて遺留分相当を相続したいのですが、どのような手続になるのでしょうか。

A.遺言の内容が、あなたの遺留分を侵害している場合には、あなたはお兄さんに対して遺留分の減殺請求を行なうことが出来ます。その後、当事者間で話合いがつかない場合には、家庭裁判所に調停の申立をすることが出来ます。それでもまとまらない場合には、審判となります。さらに、審判でも決着しなければ、裁判となります。

遺留分とは

遺留分とは、相続人が最低限相続できる財産の割合のことです。その割合は、相続人の立場によって次のように定められています。
・被相続人の配偶者及び子(子が死亡している場合には、孫を含む)の場合 相続分の1/2
・被相続人の親の場合 相続分の1/3
・被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。

従って、弟さんの遺留分は、遺産の法定相続分(2分の1)の2分の1で4分の1となります。

遺留分の減殺請求とは

相続人は、遺言の内容が自分の遺留分を侵害されている場合には、遺留分の減殺請求をすることができます。遺留分の減殺請求とは、遺留分を侵害された人が侵害をした人に対して、遺留分相当分を相続できるように返還して欲しいという意思表示です。その期限は、相続開始後、遺留分が侵害されている贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年又は相続開始から10年です。手続は、請求をする人が内容証明郵便で意思表示をします。

そして、まずは当事者間で話合いをします。話合いが付かなければ、次の段階として家庭裁判所での「調停」があります。

調停とは

調停とは、調停委員を間に入れての話合いの場です。調停委員は、弁護士や税理士などから選ばれた人たちで、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらったり、遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握した上で、解決案の提示や解決のための助言をします。

手続は、遺産分割や遺言の内容に不満をもつ人が、財産目録をつけて家庭裁判所に申立てをします。それを受けた家庭裁判所が、申立てた人と申立てられた人を別々に呼んで、調停委員と現実的な解決のための話合いの場を提供します。このとき複数の人が申立てた場合には、その人たちは一緒に話合いをします。


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