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虫歯の自然治癒!? 歯の再石灰化ってなに?

「初期虫歯」の場合、虫歯治療をせずに治る可能性があることをご存知ですか? 歯の再石灰化について解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

一度虫歯になると、その後どんなに一生懸命に歯磨きをしても、治療をするまで、進行していくのが一般的です。でもその虫歯が「初期虫歯」だったら、虫歯治療をせずに治ってしまうかも知れないことをご存知ですか? 歯の再石灰化について解説します。

そもそも初期虫歯とは?

虫歯は象牙質に達するC2までしみないことが多い

虫歯は象牙質に達するC2までしみないことが多い

一般的な分類では、虫歯は深さによって、C1~C4までに分類されます。よく歯の検診などで、「C…」などと聞くこともありますね。Cに続く数字の違いは、次のようになります。

■C1

虫歯がエナメル質のみに進行した場合

■C2
虫歯が象牙質まで達した場合

■C3
虫歯が歯の内部の神経まで達した場合

■C4
歯が虫歯によって崩壊して、歯茎の高さと同じ程度の根のみとなった場合

初期虫歯とは、このC1の始まりの段階の、エナメル質の表面が脱灰によって、溶かされ白く変色するなどの変化が起こっているが、歯の表面には、虫歯の穴はまだ空いていない状態のことです。


歯の再石灰化ってどんな

歯の表面に付着したプラーク(歯垢)がその直下の歯の表面を最も良く脱灰(溶ける)するのは、食事や間食の後です。虫歯菌が砂糖などを取り込み、歯に穴を開けるための酸を放出するからです。

エナメル質に酸が付着すると、歯の表面からミネラルやイオンなどが流れ出します。これが脱灰と呼ばれる現象です。

この一度は溶け出たイオンやミネラルが、再び歯の表面に戻って、溶かされた歯の表面を修復する作用のことを再石灰化と呼んでいます。実は、これらはほぼ食事のたびに繰り返されます。

そして修復が間に合わないと、次第に穴となっていくのです。


実は歯の再石灰化ってスゴいんです

再石灰化
歯の周囲が唾液で満たされている方が再石灰化に有利
歯の表面が脱灰(溶ける)されても、初期虫歯であれば、再石灰化が起こることで修復が行なわれ、虫歯になるのを防ぐことが出来ます。

さらに再石灰化現象では、溶かされた歯の表面のエナメル質を、ただ元に戻すのではなく、結晶構造を変化させて、溶ける前の歯よりも硬くて虫歯に強いエナメル質に変化させることが出来るのです。

生えたての永久歯が、柔らかく虫歯になりやすいのは、この再石灰化がほとんど行なわれていないためと言われています。歯の再石灰化には次のようなものが役立ちます。

唾液
再石灰化の主役です。就寝前の飲食が虫歯の原因になるのは、就寝中は唾液の少なくなり、再石灰化がほとんど行なわれないためと考えられています。

■キシリトールガムなどガムを食べることで、唾液の分泌が増すため、再石灰化にも効果があると考えられます。

■フッ素入り歯磨き粉など
この再石灰化で修復される量は目で確認が困難なほど、ごく僅かな量です。したがって修復が困難にならないように出来るだけ脱灰(溶ける)が少なくなるように、しっかりと歯磨きを行なわなければならないのは、言うまでもありません。
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