?最近の日米の株価上昇率からみると、分散する意味なんて本当はないんじゃないですか?
確かに、円ベースで比較すると過去3年間の収益率は、TOPIXで50.39%、S&P500で40.98%でした。国際分散なぞせずに、日本株だけやっていたほうが、この3年間は良かったということなのでしょうか?
今回は、リスク商品の基礎的な見極め方をご案内します。前提条件は、株価収益率が5%、日本国債利率1.5%、米国債利率4.5%です。
同リターンならリスクの小さいほうを選びたい!
『リスク~神々への反逆』はピーター・バーンスタインが著したリスクに関するベストセラー。 |
ところで、リスクとは厳密にいえば価格のバラツキのことで、専門的には標準偏差と呼ばれます。
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そんな大事なリスクですが、正確に知ろうとしてもだれも教えてくれません。
ならば、私たちにも簡単に推測できるリスクの大きさの測り方があります。それは、リスク・フリー・レートとの差です。
リスク・フリー・レートとの差がリスク・プレミアム
リスク・フリーとは、リスクの存在しない「もっとも安全な」という意味で、たとえば一等国の国債や、法律で元本保護されている1,000万円未満の普通預金です。リスク・フリー・レートとは、もっとも安全な資産の利率のことです。ここでは、日米それぞれの国の長期国債の利率だと考えます。
焦点となっている株価収益率が5%だった場合、これが日本株なのか?米国株なのか?その資産の国籍でリスクはぜんぜん違うというお話です。
なぜなら、日本国債の利率は1.5%、米国債の利率は4.5%ですから、それぞれのリスクプレミアムは、日本株が3.5%で米国株が0.5%ということになるからです。
リターンだけみれば、日米は互角だが、引き受けたリスクの大きさは日本株のほうが断然に高い! |
日本株による収益率は、米国株の7倍大きいリスクをおかして獲得しているわけです。米国での投資なら、国債に投資するよりもほんのちょっとの追加リスクでOKなのに、日本では相当なリスクを覚悟しないと・・・
それでは、もう一つのリスクの測り方、日米の株価のブレは、どのくらい違うのでしょうか?次のページで見てみましょう。