イギリス/イギリスのグルメ・レストラン

イギリスの美味しいクリスマス(2ページ目)

今回は、『イギリスの美味しいクリスマス』と題して、イギリスの一般家庭で出される12月25日の典型的なクリスマスディナーの献立に付いてお話します。

執筆者:平良 淳


甘い誘惑クリスマスプディング(伝統的なクリスマスケーキ)

xmas
カロリーオーバーのとどめを刺すプディング。でも、これもやっぱり欠かせません。
クリスマスプディングはクリスマスディナーには欠かせないデザートです。プディングの中身は、細かく刻んだレモンの皮、みかんの皮、干しチェリー、干し葡萄に、小麦粉、バター、ブランデー(アイルランドではブランデーと共に、隠し味として黒ビールのギネスも加えられます)、そして大量の黒砂糖が入っています。

プディングはテーブルに出される前に暖め直され、ホットブランデーを掛けて火をつけます。そしてさらに暖かいクリームブランデーソースを掛けて頂きます。太る事を考えると少し躊躇してしまいますが、非常に美味しいのでお試しください。

その他のクリスマスケーキとして、スナック感覚のミンスパイ(パイ地でくるんだミックスフルーツパイ)や、トップに雪のような砂糖のアイシングをたっぷり塗ったフィンガーサイズのショート・フルーツケーキなどもあります。

■体の芯まで温めてくれるモールドワイン
モールドワインは、普通、食前にダイニングルームに入る前、リビングルームやキッチンでウェルカムドリンクとしてミンスパイなどのスナックと一緒に出される事が多いでしょう。凍り付いた野外からの訪問の場合、モールドワインは身体の芯まで温めてくれる最適の飲み物です。

モールドワインは家庭によって入れる物が多少違いますが、一般的には、オレンジやレモンの輪切り、クローブ、シナモン、砂糖などを煮込んだ物に赤ワインが最後にミックスされています(家庭によっては、好みによりウイスキーやブランデーも加えられます)。モールドワインは、暖めてホットドリンクとして頂きます。

■さらに、チーズ&クラッカー
デザートの後は、場所をダイニングルームからリビングルームに移動し寛ぎます。そこでは、ポートや各種リキュール類の食後酒を頂きますが、さらに、スナックとして、チェダー、スティルトン、ブリーなどイギリスの代表的なチーズがクラッカーと共に出されます。

■クリスマスディナーの盛り上げ役クリスマスクラッカー
こちらのクラッカーは、同じ綴りの『Cracker』と言っても、この場合は“砕く物”という意味でお菓子ではありません。キャンディのように紙でくるまれた円筒形の物で、2人の人が両端を片方ずつ同時に引っ張り合うと、中の火薬が弾け「パーン」という音を立てる仕掛けになっています。筒の中には紙の王冠、オマケのおもちゃ、なぞなぞが書かれた紙などが入っています。子供騙しのような物ですが、無くてはならないクリスマスディナータイムの必需品です。

イギリスのクリスマスは、食べて、飲んで、また食べての繰り返しです。毎年クリスマスの後に、体重計の目盛りを見てびっくり。はかりが壊れているのではないかと思うのも仕方ありません。

クリスマスの家庭料理は、残念ながら短期旅行中の方にはなかなか味わうチャンスが少ないかも知れませんね。しかし、ご安心ください。12月の中頃からクリスマスにかけて、イギリスでは沢山のレストランやガストロパブなどが、クリスマス特別メニューを行っています。ちょっとしたイギリス的なクリスマスディナーの雰囲気を味わってみたい方は是非お試し下さい。
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