年賀状の書き方
今回は、ごく一般的な年賀状の書き方の基本ルールについて解説します。親しい人には、この基本ルールをふまえたうえで、文面やイラストなど自由に作成してもかまいません。かなりユニークな年賀状もいいのですが、ひとりよがりにならないように注意しましょう。
「あけましておめでとうございます」「謹賀新年」などの言葉を「賀詞」といいます。年賀状では、この賀詞を最初に書いて、その後にあいさつやお礼などの謝辞をのべ、そして相手の幸福を祈り、変わらぬ友誼を願うことばを記します。
<目次>
年賀状の3つのルール
1. 文面(裏書き)の基本のフォーマットを守る・新年のお祝いの言葉「賀詞」
・あいさつやお礼などの謝辞
・相手の幸福を祈り、変わらぬ友誼を願うことば
・日付
※元旦と書く場合は、「一月元旦」「一月一日元旦」とは書きません。元旦とは新年の最初の朝という意味ですので、「元旦」と書くだけでいいのです。「平成XX年 元旦」「ニ〇XX年 元旦]とかくのが正しい使い方です。
2. 宛名(表書き)のルールを守る
・縦書きの場合の番地や部屋番号は原則として漢数字を用いる
・宛名には必ず敬称をつける
一般的に、個人宛ては「様」。 社、団体などには「御中」とします。
組織の個人に宛てる場合は、部署名を右肩に、役職名を名前の上に小さく、個人名に「様」とします。役職名には敬称はつけませんので「○○社長様」とはぜず、「社長 ○○様」とします。
医師、恩師などに宛てる場合は名前に「先生」とつけ「様」は不用。ただし一個人として出す場合は、「様」でもかまいません。 「殿」は年賀状では一般的ではありませんので「様」を用います。
3. すぐに返事をすること
届いてからすぐに返礼を出します。元旦に出す場合は、日付は元旦でもかまいませんが、2日以降の場合は、投稿日の日付とします。年賀状を頂いたお礼、遅れたお詫び、などを書きます。
賀詞のいろいろ
相手との関係によって賀詞や挨拶文を使い分けましょう。■恩師や取引先など
「謹んで年頭のご祝詞を申し上げます」
「謹んで年始のご挨拶を申し述べます」
「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」
■会社の上司
「謹賀新年」
「恭賀新年」
「新春のお喜びを申し上げます」
■会社として出す
「謹賀新年」
「恭賀新年」
■友人、知人、同僚、親しい人
「あけましておめでとう(ございます)」
「新年おめでとうございます」
「新春のお喜びを申し上げます」
「賀春」
「賀正」
「迎春」
「謹賀新年」
「Happy New Year!」
※「賀正」は「正月を祝う」という意味です。簡略化した表現なので改まった相手、特に目上の方には避けたほうが無難です。「迎春」「賀春」「頌春」なども同じです。
※目上、目下関係なくもっとも多く使われるのは「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」「Happy New Year!」。
その他よく使われる言葉
・旧年中は何かとご指導いただき、厚く御礼申し上げます・旧年中は大変お世話になりました
・旧年中は格別のご指導を賜り、厚く御礼申し上げます
・ご指導ご鞭撻を賜りますよう
・本年も相変わらぬご指導ご鞭撻を、お願い申し上げます
・本年もよろしくご指導のほど、お願い申し上げます
・皆々様のご多幸を、心よりお祈り申し上げます
・皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております
・この一年のご健康と、ますますのご活躍をお祈り申し上げます
・今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます
・今後も変わらぬご指導と、末永いお付き合いをお願い申し上げます
・よい年でありますように
・本年もどうぞよろしく
・くれぐれもお体を大切に
・今年もよろしくお願いします
忌み言葉に気をつける
相手が不快に感じるフレーズはできるだけ書かないようにします。「昨年は体調を壊して……。」などかかれても送られた方は、新年早々暗い気分になります。できるだけ楽しい話題を選びます。※忌み言葉
「去る」「失う」「滅びる」「絶望」など。また「去年」は「昨年」「旧年」とします。
出す相手による基本パターン例
■会社の上司恭賀新年
旧年中は何かとご指導いただき、厚く御礼申し上げます。
企画部に配属されまして、三年目を迎えます。企画の
仕事の楽しさがようやくわかってまいりました。
本年もなにとぞよろしくお願いいたします。
■会社の先輩
謹賀新年
旧年中は大変お世話になりました。
先輩より引き継がせていただいた仕事もどうにかこなすことが
できるようになりました。これも先輩のご配慮のおかげと、
こころより感謝しております。
たよりない後輩ですが、本年もどうぞよろしく御指導のほど、
お願い申し上げます。
■仲人へ
謹んで新春のお喜びを申し上げます。
おかげさまで、長男隆司も風邪ひとつひかず、元気に育って
おります。家内円満、実のところは子育てに悪戦苦闘して
夫婦喧嘩のひまもないというところです。
本年も変わらぬご指導をお願い申し上げますとともに、
皆々様のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。
■結婚の報告を兼ねた年賀状
謹んで新年のお祝いを申し上げます。
私たちは、昨年十月十日に結婚式をあげ、左記に新居を構えました。
未熟者ではありますが、二人で力を合わせ、新しい生活を築いて
いこうと思います。
今後も変わらぬご指導と、末永いお付き合いをお願い申し上げます。
二〇XX年一月一日
〒一二三―三四五六
東京都港区…
中山太郎
花子
(旧姓 山田)
※妻の旧姓を書く場合は、連名にした名前の後に、やや小さめで書きます。
■親しい人へ
賀 正
いかがお過ごしですか。
仕事に追われっぱなしの、きつーい一年でした。
今年は、なんとか趣味のテニスを極めたいと思っております。
……
みなさまにとって、すばらしい一年でありますように、心より
お祈りしております。
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