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アオキノボリアリゲータートカゲ

スキンクの仲間ですが、アンギストカゲの仲間の登場です!!なんと我が「Terra Herps.」の400種目の記念すべき種でもあります!そうアブロニアことアオキノボリアリゲータートカゲです!

執筆者:星野 一三雄

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アオキノボリアリゲータートカゲ
撮影協力:aLive

アオキノボリアリゲータートカゲ

学 名Abronia graminea別 名:アブロニア英 名:Veracruz Arboreal Alligator Lizard
分 布:メキシコ(ベラクルス州)
全長:最大25cm前後(40cmに達するという説もある)

メキシコの限られた地域に生息する非常に美しいアンギストカゲ科のトカゲです。

本種は属名から、単に「アブロニア」と呼ばれることもありますが、Abronia 属は25種程度が知られているようです。しかし分類にはまだまだ課題が多いようで、国内に流通する種類に関しても手探り状態で情報収集をしなくてはいけないようです。上の写真の個体も、ハッキリと種類名がわかっているわけではないのですが、もっとも有名なアオキノボリアリゲータートカゲである可能性もあるので、ここではそのつもりで紹介させていただきます。

名前からわかるように全身が明るい黄緑色で、鱗の周辺に暗褐色の斑紋がある場合が多いようです。ただし、体色には個体差が大きいようで、濃い緑あるいは鮮やかなブルーであることもあります。他にも白っぽい個体やオレンジ色がかった個体なども見られるようですが、これらは別種であると考えられるようです。また目の虹彩はブルーグレーで、腹部は白く細かい暗色の斑紋があります。

四肢の爪はよく発達し、尾も長く樹上生活に適応して木の枝などにつかまりやすくなっているようです。

分布域は赤道直下に近いような場所ですが、高地の森林で樹上生活をしています。生活の場が数十メートルの高さの樹木の樹冠部で、日中よりも薄明薄暮の時間帯に活動をしているようです。樹上で昆虫類などの小動物を食っていると考えられていて、実際に飼育下では昆虫類をよく食べています。性格は穏和であるようですが、大きな口を開けて威嚇したり、ごくまれに咬まれたりするようなこともあるようです。特に、マイマイなどの樹上性巻貝を好むとも言われているために顎の力は非常に強いようで、咬まれるとかなり痛いそうです。

繁殖生態は胎生で、飼育下の記録では交尾後150日程度の妊娠期間を経て4匹の幼体を出産したということです。幼体は緑色は薄く、灰褐色地の体色である以外は、ほとんど成体と同じ形態です。

今は昔の平成10年のビバリウムガイドNo.4で真っ青な個体が表紙を飾ってから一般の両爬ファンの知るところになり、非常に美しい青いトカゲというステイタスになりました。

ところが、飼育法が非常に難しいと考えられることとその後にコンスタントな流通がなかったこと、そして何よりも大変高価であったことから、トカゲファンの垂涎の的になり現在に至りました。

2008年2月に、久しぶりにまとまった数が流通しファンを驚かせることになりました。ところが、件の真っ青な個体は見られず多くのファンは「?」という印象を受けたようです。おそらく、緑色の個体が光量不足の環境で飼育されたことにより黄色色素が消失し青色になったのが話題になった個体であろうという意見もありますが、今のところはよくわかっていません。

大きさもほどよく、魅力的なトカゲなのですが、とにかく冷涼で多湿、一方で風通しがよいという環境を好むせいか飼育法が確立されていないため、飼育にかなりの熟練が要求されるトカゲであるという認識になっているため安易な飼育は避けるべきトカゲのようです。っていうか、高価だから安易に飼育なんかできません。

ただし、海外では飼育を続けていたり繁殖に至ったりしているようですから、これからの日本のファンだったら、きっと国内CBの作出に成功するだろうし、それが今から楽しみなトカゲです。

生態を考えてみると、いわゆる「角系カメレオン」などと同じような生態的地位を持っているようです。

次のページに読者の方から、非常に詳しく参考になる意見をいただきました。参考にしてください。ページ下の「この記事への感想を書く・読む」のリンクからご覧いただけます。
赤っ恥をかかない程度の知識
  • アンギストカゲの仲間
  • メキシコのごく一部に生息
  • さまざまな種類があるが、亜種のレベルではないかとも考えられている
  • 青い体色が有名だが、基本的には緑色らしい
  • 樹上性
  • 胎生
  • 流通量は少なく、非常に高価
  • 飼育はかなり難しいらしい
  • 高温、乾燥、蒸れに非常に弱い
飼育の基本情報飼育容器60cmクラス以上の容器で高さがあり、通気性が良い容器を使う温度低温を好む。飼育の適温は20-22℃。30℃が長く続かないようにする。夏場はこまめな霧吹きで温度を下げるか、エアコンで室温を管理する照明やや弱めの爬虫類用蛍光灯を使う。一方で30℃程度のホットスポットが必要床材ヤシガラ土などの保湿性がある素材容器内レイアウト大きめの水容器を設置し、流木などで立体的なレイアウトを施す餌昆虫類基本的な世話角系カメレオンの飼育に近いらしい
  • 蒸れに弱いらしいので通気性を十分に確保する
  • とにかく低温を保つべき
  • ※情報は「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ2(誠文堂新光社)」、ショップからの情報および海外サイトを参考にしました。

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