入院舎 |
Q:猫と病院、理想的な付き合い方は?
服部院長:健康なときにこそ、健康診断をして健康なときの数値をわかっておきたいですね。具合が悪くなったときに、健康なときと比べてどうなっているか?でわかりやすいです。8歳以上になると、ガンが増えてきたり、老齢性の病気がみられる子が多くなります。
SyuSyuキャットクリニックでは、糖尿病と甲状腺異常の猫が多いと感じています。
Q:先生が特に気になる猫種は?
服部院長:当院の猫の種類の割合は、雑種が7、純粋種が3くらいの割合です。
その中でも、人気が高いせいか、異常が見られるスコティッシュフォールドが多いですね。
軟骨の異常はもちろん、原因不明の鼻血を出すスコがいるんです。
鼻の軟骨の異常とか、血小板の問題とかいわれていますが、はっきりしたことはまだわかっていません。
耳が完全に立っている子では、この症状は出ませんが、少しでも耳が折れているとでる可能性があります。
スコティッシュフォールドには、様々な遺伝的な問題がある、ということをブリーダーやショップがきちんと説明して販売して欲しいし、飼う側もあらかじめ勉強しておいて欲しいです。
ペルシャやアビシニアンで腎臓に問題を抱えている猫も多いです。
Q:服部院長の獣医師としてのポリシーは?
服部院長:内科的な病気に関しては超音波とレントゲン、血液検査の結果がわかれば、たいていのことは診断・治療できます。当院では、ガンの治療に関しても積極的に行っています。
もし、ここで治療できないものは、専門的な病院をご紹介します。
自分でできるところはどこまでかを理解することが大切です。
外科は内容によっては、ある程度以上の経験を積んだ先生の腕が必要な場合があります。
院内のあちこちに「ねこ」がいます |
Q:『猫の専門』ということで、値段的には?
服部院長:正直、通常の病院より少し高いかも知れません。
診療の内容によって、利益率が違いますから、猫だけだとどうしても。
でも、その分、じっくり患者さんと向き合うことができますし、飼い主さんのお話をよく聞くことができます。
1回の診察時間は、普通の病院に比べると長いほうだと思いますよ。
Q:飼い主さんへのアドバイスは?
服部院長:どんなことでも異常があれば早めに相談して欲しいです。
特にできものができたりすると、そのまま様子を見てかなり大きくなってから連れてくる人がいますが、もし悪性腫瘍だったら症状が出てからでは治療効果を上げることができません。
また、もしお別れを迎える場合でも、治療をやりきった人はペットロスになるケースが少ない。
信頼できる先生と正直な関係を保つことが、猫(患者さん)にとっても手助けになります。
例えば、処方した薬を飲ませてないのに、飲ませてる、といったりしないで、飲ませられないのであれば、別の方法を考えるから、その通りを云って欲しいですね。
飼い主さんにもいろんな方がいらして、考え方もそれぞれ違います。
よくお話を聞いて、その飼い主さんと猫に合わせた治療を心がけています。
服部院長のお父様も以前獣医師をやられていて、現在も猫との関わりが深い活動をされているという環境で育った服部院長。
そんな環境で育った服部院長だからこそなるべくして、『猫のお医者さん』を職業に選ばれたのかも知れません。
服部院長ご自身も、現在猫さんと同居中で、「爪を切ろうとすると怒るんですよ。猫がご主人です」を顔をほころばせて語ってくださいました。
「猫を専門に診察してきたからこそわかることがある」
という服部院長の言葉の中に、納得してつきあえる獣医師と巡り会えた!と感じることができました。
「うちの子は人見知りが激しくて…」という猫さんだけでなく、その猫さんの生涯にわたって納得できる動物病院・獣医さんをお捜しの方は、是非『猫専門の動物病院』を訪ねてみてください。
猫のことは、猫のお医者様に!