猫関連情報

更新日:2002年12月31日

赤ちゃんと猫との共生生活

よく「妊娠したら飼い猫を処分しろと言われたがどうしたら?」と悲痛な相談を受けます。やみくもに、猫は子供には危険と決めつけずに、共生できる道を考えて欲しくてこの記事を書きました。

記事:前ガイド戸松 佐恵美


結婚前から猫を飼っていた方は、猫と一緒にお嫁入りした方や、猫小姑のいる所にお嫁さんを迎えた方もいる事でしょう。
結婚後、人間のカップルに赤ちゃんが出来ると、周りの人は一様に「猫を手放せ」と言います。
しかしながら、そのカップルにとって猫は長男(もしくは長女)と同じような存在なので、そんな事はできっこしません。
そこで諍いが起きたり、悩みが生じたりするのですが、何故、赤ちゃんができると猫を手放せと言われ、どうしたら手放さずに猫と赤ちゃんを共存させられるのでしょう?
今回はそんな事にスポットを当ててみました。

現状、妊娠中で悩んでいらっしゃる方は、悩んでいる事が胎教には一番よくないと思いますので、是非この記事を参考にして頂き、周りを説得して猫ちゃんとも赤ちゃんとも楽しく暮らせる方法を考えて頂きたいと思います。

◆何故、赤ちゃんが出来ると猫を手放せ、と言われるのか?

まず、一番に考えられるのが「トキソプラズマ感染症」を怖れての事でしょう。
名前くらは聞いた事があるかもしれませんが、トキソプラズマ感染症というのは、寄生虫の原虫の一種で、生肉やこの病気を持っている猫の糞から妊婦に伝染(うつ)る可能性がある病気です。
妊婦がこの病気に感染すると、死産や流産を引き起こしたり、生まれてくる赤ちゃんに奇形や視力障害がみられる場合がある為、異常なほどに神経質になる人も多いのです。

また、赤ちゃんが生まれた後、空気中の猫の毛でアレルギーになるとか、猫が赤ちゃんに危害を加えるのでは、といった事が問題視される事もあります。

では、人間に赤ちゃんができたら猫は飼えないのでしょうか?
私の友人のカップルには、猫も赤ちゃんもみんな一緒に楽しく暮らしている方が何人もいます。
共存する事は可能だと思いますので、以下にその方法を記述させてもらおうと思います。

◆どうやったらトキソプラズマ感染症になるの?

トキソプラズマの感染のルートは猫より生肉・害虫からによるものが多く、猫から感染して胎児に影響したという例は最近では殆どありません。
よって、まずは生肉を食べない事。そして、生肉を調理したら、まな板や包丁をそのまま使わずに熱湯消毒をする事。そして、猫を飼っているなら猫のトイレの掃除をまめにする事と、トイレ掃除する時には手袋をして、トイレ自体も熱湯で消毒をしましょう。
※猫からトキソプラズマが伝染するのは、トキソプラズマに感染した猫の「伝染初期に排出された糞」からだけです。

◆トキソプラズマを持っている猫からは必ず感染するの?

トキソプラズマにかかる事に気をつけなければいけない人は、「トキソプラズマの抗体を持っていない人」(トキソプラズマのテストで陰性反応)です。既に抗体を持っており、陽性反応が出た方はほぼ安全だと言ってよいそうです。
ご自身の血液を病院で調べてもらい、陰性反応が出てしまった場合には、飼っている猫の血液検査をしましょう。
猫が陽性の場合には猫からの感染はほとんどあり得ません。(希に猫が弱っている場合には再発症する事可能性もゼロではありません。)

つまり、人間も猫も陰性反応だった場合に感染の危険性がある病気、という事になります。
この場合、猫が感染し、そこから人間に感染する場合もありえるので注意が必要ですが、室内飼いをされている場合にはほぼ心配はいりません。
ただ、念には念を入れて、上記の通りトイレ掃除には神経を使った方がいい事は加筆します。

また、この病気は体の中に抗体ができてしまえばさほど心配のない病気なので、危険だと判断した場合には、妊娠期間だけどなたかに預かってもらえば問題は解決します。

トキソプラズマと言うと、とかく猫が代表のように言われますが、これは、犬との比較によるもので、犬はトキソプラズマには感染しにくく、感染しても「オーシスト」と言う、昆虫で言うと"卵"に当たるものが犬の体内では生成されません。かたや猫科の動物はと言うと、感染するとこの「オーシスト」が小腸で生成され、糞に混じって体外に排出されてしまいます。
その為にトキソプラズマと言えば猫、のような言われ方をしてしまうのですが、昨今では猫からの感染例は殆どなく、むしろ、ハエやゴキブリ・鼠などの害虫や、生肉からの感染率が高い為、むしろ猫よりこちらを気を付けた方がいいそうです。
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この記事の担当ガイド

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岩田 麻美子

猫との付き合いは40年以上。元・猫のブリーダーとしての17年の経験を生かし現在は東京都動物愛護推進員…

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