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犬と暮らす時に知っておきたい3つのこと(2ページ目)

犬と暮らす時の基本について、行動治療専門の獣医師さんにお聞きします。子犬の頃どんな環境に育ったかは、その後の成長に大きな影響を与えます。ポイントは、犬を知る勉強をしながらも、神経質になり過ぎないこと。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

キーワード3:社会化時期の「いい経験」が、幸せな日々を築く

人間と同じく犬にとっても、犬としての社会行動パターンを身につける社会化の時期はとても大切。およそ歯が生え始める生後21日齢頃から生後12週齢頃までが、最も社会化に適した時期とされ、生後8週齢前後は特にその感受性が強いことから感受期と呼ばれています。遺伝的な要素に加えて、この間に経験したことが後々行動や気質に大きな影響を与えます。

しかし、この間だけが大事なわけではありません。お腹の中にいる頃から、母犬の気質や環境も影響します。生後12週齢を過ぎると、それまで強かった好奇心よりも警戒心・攻撃性のほうが勝ってきます。人間で言う反抗期のような様子が見られることがある、生後6ヶ月齢~9ヶ月齢頃までの間はさらに大事な時期でもあります。

この社会化の時期に、どれだけ「いい経験」ができるかが、あなたと愛犬の幸せな日々を築くとも言えるのです。

犬としてのつきあい方が身につき、飼い主も学べるパピークラス

犬としてのつきあい方をお勉強中
牧口先生が指導するパピークラスでの様子。(写真提供:獣医師 牧口先生)
「犬のことを知る」「社会化」といった面をフォローしてくれるのが、各地で開かれるようになったパピークラス(パピーパーティー)と呼ばれるもの。

単に子犬同士を遊ばせるのではなく、犬としてのつきあい方、社会化をふまえたしつけなど、飼い主もいろいろなことを学べるクラスなので、通ってみる価値はあると思います。専門家の指導の下に、犬の行動や心理についてのレクチャーが受けられたり、ほかの犬達と触れ合うことで子犬にも様々な経験をさせてあげられます。

最近では動物病院でパピークラスやパピーパーティーを主催するケースも増えてきました。しかし、社会化適期とされる時期が、狂犬病やジステンパーなどの伝染病を予防するワクチンの時期とちょうど重なるので、どちらを優先するか迷ったり、近所での開催がなかったりと、興味を持ちながらも参加したことのない人も多いのでは?

パピークラスなどに参加しなければ、うまく社会化ができないというわけでは決してありません。抱いて近所を歩く、無理のない範囲でいろんな音や物、状況などに慣らせてあげるという努力次第で社会化は充分可能なので、ご心配なく。

次ページでは、犬を取り巻く最近の傾向と、犬を飼う際の心構えなどについて、獣医師さんにお話を聞きます。
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