夫婦関係/夫婦円満のコツ

夫だから当たり前だと思っていませんか? 愛される妻と愛されない妻

夫なんだから当たり前という「上から目線」になっていませんか? 「妻なんだから愛されて当たり前」だと思っているそこのあなた、本当に愛されて当たり前なのでしょうか。いくつかの実際の相談例をご紹介しながら「愛される妻と愛されない妻」について検証してみましょう。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

妻なんだから、夫に愛されて当たり前?

夫だから当たり前?

あなたは愛される妻? 愛されない妻?

私が運営しています「恋人・夫婦仲相談所」には、PCサイト、携帯サイトを併せて月に1000件以上の相談が寄せられます。

たくさんの相談の中で、最近ちょっと気になっているのが「愛される妻と愛されない妻」について。
みなさん、「妻なんだから愛されて当たり前」って思っていますか? 本当に愛されて当たり前なのでしょうか?

いくつかの実際の相談例をご紹介しながら「愛される妻と愛されない妻」について考えてみましょう。
 
<目次>
 

結婚7か月のH美さんの場合

「結婚したのに一人ぼっち」

結婚したのに一人ぼっち

結婚して7カ月のH美さん24歳。結婚前は都内の大手企業で勤務。自宅で両親と生活していたので、お給料の大半はお小遣いにまわし、いわゆる華やかなOL生活をしていたそうです。
そして取引先の男性社員とめでたく結婚。
だんな様のご実家はある地方都市で小さな会社を経営しており、長男であるだんな様は、しばらく都内の大手企業で「修行」をしたあと、ゆくゆくは実家の会社を継ぐことになっていました。
小さな企業ではありますが、社長夫人という玉の輿。
しかも後を継ぐのはしばらく先ということで、東京での生活をエンジョイできる予定だったH美さん。

ところが、結婚直後に義理のお父様が病に倒れ、だんな様が予定を繰り上げて早々に実家の会社を継ぐことになってしまいました。
数年先だったはずの地方での生活が結婚半年でスタート。

だんな様の実家との同居では無かったものの、生活環境は以前とは一気に変わりました。

「こんな田舎に嫁いできたんだから責任とってよ」

だんな様の方はお父様の引き継ぎで会社の内容を把握し、回していくことで精いっぱい。毎日深夜の帰宅が続き、土日に出社することも。
一方H美さんの方は、初めての土地で知り合いもおらず、一日中家にいることもあり、だんな様への不満が募っていきます。
「あなたのせいでこんな田舎に住んでいるのだから、もっと私に気を使ってほしい」
「休みの日だってほったらかしにされても、車もないしどこにも行けないわ」
「さびしいんだから、もっと早く帰ってきて」
「忙しいと言いながら、会社の人と飲みに行っているのはなぜ?」
「疲れて帰ってきたからって、話もせずにTVを見ているのはなぜ?もう私を愛していないの?」

あなたはこのH美さんの不満をどう思いますか? 納得できる? それとも自分勝手?
H美さんの発想の根本にあるのは「夫なんだから、もっと妻に気を配ってほしい、もっと妻に愛情を見せてほしい」という発想。もちろん、見知らぬ土地に暮らすことになったH美さんの孤独な気持は理解できます。
しかし、寂しさの責任を求められたり、一緒に過ごす時間が少ないからもう冷めたのではと疑われても、だんな様には働いて妻を養うという大事な仕事があります。妻の求めるままに、家で過ごすわけにはいきません。
「妻なんだから、愛されて当たり前」
「大事にしてもらって当たり前」の発想がいつの間にかだんな様に大きく依存することになっていて、「うっとうしい妻・愛されない妻」化しているのがH美さんの状態だといえるでしょう。
夫は妻の保護者ではありません。だんな様に依存するだけでなく、自から地域のコミュニティに参加して知人を増やすなど、自分の立ち位置をしっかり確保することが必要です。
さらに、大変な状況であるだんな様の会社や仕事の状況を思いやって、夫を後ろでしっかり支えてあげられるような家庭を作れるようになれば、それこそ、「愛される妻」になることができるでしょう。

結婚5年2カ月のM香さんの場合

「働く母は忙しすぎて……。」

働く母は忙しすぎて……。

結婚して5年2カ月のM香さんは32歳。1歳と3歳の男児を保育園に預けて、仕事を続けています。
保育園への送りはだんな様、迎えはM香さんが行い、家事もだんな様と半分ずつ分担しています。洗濯担当のM香さんは、週末はシーツや子供たちの汚れた靴を抱えて大忙し。
一方だんな様の方は担当の「掃除機がけ」を終わったあとはリビングでごろり。ばたばたと動き回っているM香さんには気づいているのかいないのか、一人でTVを観ています。
「ねぇ、布団を干してよ!」思わずイラッとした口調でだんな様に指示をしてしまうM香さんですが、だんな様は素直に腰をあげ布団を干し、作業が終わるとまたTVの前に。

「ねぇ、そろそろあの子のおむつも替えてあげて」
「あと終わったら、食洗機から食器を出してね」と、M香さんが立て続けに指示しましたが、今度は夫は腰を上げません。

「夫なんだから当たり前でしょ」

「おい、なんか忘れてないか?」「何を?」「用事を頼む時、頼んだ事をやってもらった時には言うべき言葉があるだろう?『お願いね』とか『ありがとう』とか。」と言いながらM香さんの方に向き直っただんな様は明らかに不愉快な顔をしています。

「だって、家事や育児は私のためにやってもらっているわけじゃないわ。家族のためでしょう。つまりはあなた自身のためでもあるのよ。夫なんだからやって当然でしょ! やってあげたような顔をされるのは筋違いよ。言われなくても、自分で気づいてやるべきことなんじゃないの?私だって働いてるんだから、条件は一緒よ!」

家事を夫が行う。
これを当たり前と考えるか、やってくれてありがたいと考えるべきか。
確かに家事をすることは妻のためではありません。

しかし、夫なんだからやって当たり前という「上から目線」では、家事を頼まれた方も面白くありません。
仕事で疲れているのはお互い様。どちらがやるべきかを議論するより、お互いができることをして、自然に助け合うという形が一番いいですよね。
そのためには一緒にがんばってくれてありがとう、という感謝の気持ちを持つことが、お互いに気持よく動けるコツではないでしょうか? そんな雰囲気を作れる妻が「愛される妻」なのかもしれません。

結婚3年4カ月のY奈さんの場合

夫は妻を抱く義務がある?

夫は妻を抱く義務がある?

結婚して3年4カ月のY奈さんは29歳。
一人娘も1歳6ヶ月になり、そろそろ夜中の授乳も卒業。一人で寝てくれるようになってきました。
今までは夜中の授乳におむつ替えと、まとまった睡眠もとれず、育児疲れがひどかったY奈さん。
心身ともにゆとりがなく、とてもじゃないけどセックスをするような気分にはなれませんでした。
だんな様の方が求めてきても、
「一日中、赤ちゃんのお世話で疲れているのよ」
「男性は気楽でいいわね。こっちはそれどころじゃないわ。」と拒否。
最初のうちは「そんなこと言っても、こっちの性欲はどうすりゃいいんだよ」
と逆切れしていた夫も、最近ではしつこく求めてくることもなく、どうやらPCのHな動画のおせわになっているようです。
そして、気がつくと、セックスレスの期間は妊娠後期も合わせて2年近くに。

そろそろ夜もゆっくりできるようになったので、子供との添い寝もやめ、夫婦の寝室で寝るようにしたY奈さん。
だんな様も“お預け”状態から解放されて、さぞ喜んで求めてくるかと思いきや、なぜか誘いは一切なし。一緒のベッドに入っても「お休み」と背を向け、すぐさまいびきを立てて眠ってしまうだんな様。
我慢しきれなくなったY奈さんは恥ずかしさをこらえ、ある日思いきって「ねぇ、久しぶりにHしない?」と誘ってみたそうです。
ところが、「Y奈とそんな気になれない。」とだんな様はあっさり拒否。
その瞬間Y奈さんはショックと恥ずかしさと怒りにかられ、思わず「夫なんだから妻を抱いてくれて当然でしょ。私がどんなに恥ずかしい思いで誘ったかわかってるの⁉」とだんな様に言い放ちました。
しかしだんな様は「そうだろ。断られたら恥ずかしいし、辛いよな。俺はずっとそうだったよ」とぽつりと答え、Y奈さんは思わず言葉を失ってしまいました

夫から愛される女性になるために

「妻だから抱かれて当然」なのでしょうか?
確かに結婚とは一種の契約です。
妻であれば夫に抱かれる権利はあると考えてもよいかもしれません。
しかし夫が妻を養う義務はあっても、抱くことを義務付けることはできません。
ましてや、自分がさんざん拒否をして、だんな様を傷つけていたY奈さんの場合、だんな様にしてみれば「いまさら何を」という気持ちしかないでしょう。
セックスはデリケートな問題だけに、断られて傷つくのは男性も女性も同じです。
断る際には相手への気遣いをわすれてはいけません。
そして、「抱いてほしい」と思うならまずは相手が「抱きたい」と思うような妻になることが第一歩です。これはたとえばセクシーな下着を着るなど外面的なことだけでなく、相手への思いやりやいたわりなど、パートナーから「愛される女性」になれるよう、自分を磨く努力をすることも含まれます。 妻だから愛されて当然、気を使ってくれて当然、何よりも優先されて当然、サポートしてくれて当然、抱かれて当然……
こんな勘違いが愛されない妻を作っているという事実が複数の相談を通じて浮かび上がってきました。

愛は不変でも永遠でも無敵でもありません。
でも、愛される妻になることは誰にでも出来ます。特別な知識も費用も要りません。
妻であることに甘えず、パートナーへの思いやりと自分を磨く努力を忘れないこと。始めるのは簡単です。ぜひ愛される妻への第一歩を!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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