シンプルライフ/シンプルライフの達人

タニアさんのドイツ式シンプルライフ(2ページ目)

とってもシンプルで居心地がいい、料理研究家・門倉タニア(多仁亜)さんのお宅。モダンなマンションですが、なぜかとても温かみがあります。その秘密は…?

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド

「豪華なもの」より「好きなもの」

10年かかって探したダイニングチェア。セットじゃないのにテーブルとマッチ

10年かかって探したダイニングチェア。セットじゃないのにテーブルとマッチ

タニアさんのお宅には、「いかにもブランド品」「新しくてピカピカ」というものより、「古いけれどよく手入れされている」「手作り感がある」ものが多いようです。

ガイド:
「古い和箪笥やハンドメイドのひざ掛け、お部屋にマッチしていて素敵ですね。古いものがお好きなんですか?」
タニア:
「そうですね。マンションはどうしても冷たい感じになってしまいますが、こういう古いもの、手作り感があると、温かみが加わりますから、好きです」
ガイド:
「家具に合わせて小物をコーディネートされているのですか?」
タニア:
「そんなに厳密に選んではいませんけど…(笑)、うちの家具や小物は、”見せるため”のインテリアではないので、自分が好きかどうかが基準ですね。たとえばこのダイニングテーブル、とっても気に入って買ったのですが、これに合う椅子がなかなか見つからなくて。ようやく”これだ!”というのが見つかるまで、10年かかってしまいました(笑)」

「居心地がいい」は最高のホメ言葉

10年かけて探したというその椅子は、テーブルの雰囲気とも、お部屋ともピッタリです。理想を追求するために妥協をしないタニアさんのお部屋づくりに関する考え方は、まさにものを大切にし、家で過ごすことを楽しもうとする「ドイツ式」といえそう。自宅を居心地よくすることに最も心を砕くドイツ人にとって、最高のホメ言葉は、
「ゲミュートリッヒ」。
これは、「落ち着きがあり、あたたかみがあり、居心地がよい空間」に対する賛辞なのだそうです。タニアさんのお宅には、まさにゲミュートリッヒな空気が感じられます。

「飾る」より「よく使うものに美しいものを選ぶ」

毎日楽しむキャンドルや間接照明は、お気に入りのものを

毎日楽しむキャンドルや間接照明は、お気に入りのものを

そんな素敵なお部屋ですが、いわゆる飾り物は意外に少なくて、のびのび育っている植物のほかには、絵が数枚程度。あとは、キャンドルや照明器具、ピッチャーやキャニスターといった、実際に使っているものだけです。そのすべてが、自分の目で選んだお気に入りだからこそ、統一感のある、くつろいだ空間が作れるのでしょう。

タニア:
「キャンドルが好きなんです。暗くなってきた頃、メインの照明を落として間接照明だけにし、キャンドルを灯すと、ほんとにリラックスできます。炎には、人をくつろがせる何かがあるのでしょうね」

発見! 掃除が楽しくなるはたき

アートなルックスのはたき。これなら見苦しくない

アートなルックスのはたき。これなら見苦しくない

タニアさんのお宅で、素敵なはたきを見つけました。ほんとうに実用品として使っているものだそうですが、出しっぱなしにしても違和感のない、美しいはたきです。

タニア:
「これはドイツのもの。ドイツでは、刷毛職人は、目の不自由な人の仕事と決まっています。このはたき自体が好きで持っているのですが、これを買うことが、障害者の自立に少し役立っていると思うと、それも嬉しいです」

常に手にとれる場所に置いておき、こまめにホコリをとるので、掃除がラクだそう。こんなはたきなら、ホコリとりも楽しくなりそうですね。

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