防犯/防犯小説

【連載第2回】大人のテクニックにはかなわない 出会い系サイト~男の手練(3ページ目)

[2/6]タクシーに乗り込んだ少女と男。そこでの会話がのちに二人の運命を大きく変える。少女の甘さ、男のたくみさ。何気ない世間話に秘められた情報を男は見逃さない。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

ストーカー/心理と対策プチ講座Vol.1

この少女はタクシーという狭い密室で、沈黙していることができない性質だったと思われます。また、問いかけに素直に答えてしまっています。

年齢的に、また、直前の自分の行為が一種、征服されたとでもいえる精神状態を生み出していたのではないでしょうか。さっさと帰ってしまえばよかったのに、(タクシーならラク)とか(多分、大丈夫)などという甘い考えが、身の破滅を招く元なのです。

相手が何を言おうと黙っていたり、問いかけには一切答えないとか、ずぶとい態度が取れればよかったのですが、やはり真面目というか、素直で純なタイプだったのでしょう。

「優しい」タイプだともいえます。無視することができない、相手の気持ちを考えてしまうのです。しかし、こういった「優しさ」は、時に誤解を生みます。当人にとっては普通のことでも、相手にとっては「好意」と、受け取られてしまう場合があるのです。

「誤解」が生じて、歯車がくるいだす…本人は意図していないのに、相手が勝手に思いこんで事態が悪化していくには、悪気もなく罪もないのに相手を誤解させてしまう行動や言動があるのです。

・根が真面目

・やさしい

・協調性がある

などは、ストーカー被害を受けやすい人のタイプの特徴として、拙著でも述べています。

世間話と油断しないこと

相手が一方的に誤解してしまうことを避けるのは難しいことですが、せめて誤解を受けるような状況、会話などは避けたいものです。何気ない世間話のように思えても、相手からすれば大切な情報入手の手段なのです。

会話内容を深く考えずに聞かれたことに一生懸命答えてしまうとか、無視したり、知らん顔ができない、どちらかといえば沈黙が苦手なタイプの人は、思わぬ他人の感情を寄せつけてしまうことがあります。

警戒を必要とする人物とは、個人情報をもらさないように、妙な好意をもたれないように、神経を使って話をするようにしましょう。

また、男のほうも単純に自分に都合のいいように考えて、いい気持ちになっています。こういう思いこみの激しい人は、ストーカーになりやすいタイプといえます。

二度と相手と会いたくないと思ったら、それ以上時間を共有してはいけません。とにかく早く立ち去ることです。


ストーカー/心理と対策プチ講座Vol.2」~会話におけるタイプ別対策
ストーカー/心理と対策プチ講座Vol.3」~個人情報の管理について
ストーカー/心理と対策プチ講座Vol.4」~ストーカー行為規制法、親子の信頼関係

 もあわせてご覧下さい。


【連載第1回】出会い系サイト~少女の誤算
【連載第2回】出会い系サイト~男の手練
【連載第3回】出会い系サイト~少女の拒絶
【連載第4回】出会い系サイト~男の執念
【連載第5回】出会い系サイト~少女の後悔 
【連載第6回】出会い系サイト~男の代償 

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