前回の記事では、漢方の基本的な考え方をお話ししました。今回のプチ漢方塾第2弾は、よく耳にする生薬や、化粧品に配合されている代表的で身近な成分やよく耳にする生薬について。
漢方と漢方薬
 |
| 苦そう、難しい…こんなイメージを漢方薬に持っていない? |
俗に言う「漢方薬」の原料の多くは、自然界に存在する動植物。特に、植物の根・茎・花・葉が多く使われています。煎じたり乾燥させたり、またそれらを組み合わせて、“人本来のあるべき状態”に
近づけるべく作用します。
ちなみに、「漢方薬」という呼び方は日本独特のもので、中国では「中薬」と呼ばれます。この言葉は、オランダ医学(=蘭学)に対して、漢の国(=中国)から伝わってきた医学という意味合いから、江戸時代から使われた呼び方のようです。中国から伝わってきたそのままのものだけでなく、日本でも独自に研究され進化してきた漢方薬も沢山あるんですよ。
漢方薬の話の中で、
生薬(しょうやく)という言葉も耳にすることがあると思います。生薬の「生」は、“手を加えていない”という意味で、その通り、薬効のある自然界のものをそのまま使うということ。香辛料やハーブなども生薬の一種。揉んだヨモギを擦り傷にあてたり、火傷にアロエの果肉を使うといった民間療法も生薬のひとつ、といえます。「生薬」を「漢方医学」にもとづいて組み合わせ調合したものが「漢方薬」になるのですが、生薬ひとつひとつはけっこう私たちに身近な“生活の知恵”みたいなところにころがっています。
漢方薬と西洋薬の違い
 |
| 自然界の恵みの代表といったらいきいきとした緑と澄んだせせらぎ |
生薬そのものを使うところに、漢方薬の特長があらわれています。しばしば対比される西洋薬は、薬効のある生薬から「有効成分だけ」を精製したものです。
わかりやすくいうなら、岩塩と塩化ナトリウムの関係。
「塩辛い」という味覚は同じ。これを薬効で例えると、塩辛さを得るために追求し精製したのが塩化ナトリウムで、西洋薬的発想。一方、岩塩などの自然塩には、塩辛いだけでなくミネラルやその他様々な成分が含まれています。「塩辛さ」という点からみれば、不要になるミネラルやその他の成分は、料理に使うことで「うまみ」という形で効果を発揮します。
目的や症状に対して、ピンポイントで作用する成分のみ取り出して作られたものが西洋薬。対して漢方薬は、自然界のものをなるべくそのままの形で、もしくは薬効を引き出せる形で使用することで複数の効果をもたらすという利点があります。
生薬を用いることでのもうひとつの利点は、
相乗効果。他と組み合わせることで、より効果が高まったり、別の効果を発揮するというもの。わかりやすい身近な例としてダシ。昆布でとったダシといりこでとったダシを順番に飲んでどちらがおいしい? という家庭科の実験、ありませんでしたか? 正解は、後から飲んだ方。それぞれのうまみ成分が合わさることで、さらにうまみ成分を感じられるからで、必ず後から舌にのせたほうがおいしく感じるという実験。
組み合わせることで、1+1=2ではなく、3にも5にもなるというのが相乗効果です。これは生薬の世界にもあります。組み合わせるバランスや方法によって引き出される効果が変わったり、強まったり、あるいは弱まったり。何だかチームプレーみたいですが、自然って本当にすごいですよね。
よく聞く生薬…どんな効果があるのかをチェック!