ISDNは、ADSLがブレイクするついこの前まで、NTTの主力商品でした。「インターネットをしながら電話ができる!」のキャッチを覚えている人も多いのでは?
ISDN回線は、アナログ回線とはどうちがうのでしょうか? ADSLが流行っている中、もうISDNは利用価値がないのでしょうか?
※ お 願 い ※
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この記事は、電話回線やインターネットについてあまり詳しくない初心者・超初心者向けに書いています。概念として理解することを目的としていますので、厳密には正確でない場合があります。予めご了承ください。 なお、この記事を読んでもまだよく理解できない場合は「通信費節約」掲示板へご質問下さい。 |
■ISDNもアナログと同じ銅線を利用する
ISDN回線は、アナログ回線と同じ銅線(メタル線、メタルケーブル、メタル)を利用しています。よって、アナログ回線をISDN回線にする場合、通常NTTから工事の人は来ないので、工事費は比較的安く済みます。(2,800円~)
■ISDNはデジタル回線
では、ISDN回線とアナログ回線の違いは何なのでしょうか? アナログ回線の場合、音声を電気に乗せて銅線で送っていたわけですが、ISDNの場合は、音声を0と1のデータに変換(デジタル化)し、それを電気に載せて銅線で送信するのです。
パソコンをはじめとしたデジタル機器の中ではすべてデータは0と1で処理されています。わかりやすくいうなら「有る・無い」「○・×」というデータです。
アナログ回線の場合、音声がそのまま電気に乗っているので、電話機からNTTまでの間の銅線のどこかで盗聴しようと思えば簡単にできるのですが、ISDN回線の場合、音声をデジタル化しているため、途中で盗聴しても人間の声は聞こえてこないため、簡単には盗聴できません。
■デジタル回線は音質が良い
音声をデジタル化(0と1に変換)して送るメリットは何でしょうか?
アナログ回線のデメリットは、銅線の距離が長くなればなるほど信号が弱くなってしまうことや外部からの強い電波などが混ざったりして、音声がかすれたり、雑音が入ったりすることでした。
デジタル化することにより、これらのデメリットを最小限にすることができるのです。
デジタル回線の場合、データは「1」か「0」かです。これを光の点滅に例えるなら、1は「点灯」0は「消灯」です。距離が長くなって信号が弱くなっても「光がついているか消えているか」は、ほぼ間違いなく区別できます。外部からのノイズは「強さが極端に違う光」に例えられます。それらは無視してしまえば、音声がかすれたり雑音が入ったりすることがないのです。
実際、ISDN回線の場合、とてもクリアな音質で会話ができます。銅線には多少のノイズが乗っているはずなのですが、デジタル化しているおかげで、ノイズが除去されているからです。距離が遠くなっても安定した回線品質を保てるのも、デジタル回線ならではです。
■1回線で2回線分使える!?
ノイズが無くなることで、データを送る速度も速くなります。アナログは最高56Kbpsで接続できますが、ノイズの影響などで通常40Kbps前後でしか接続できません(環境によって差があります)。ISDN回線の場合、ノイズの有無にかかわらず、64Kbpsという速度がでます。体感速度で2倍くらい違います。
しかも、ちょっと理解しづらいと思いますが、1本の銅線で2回線分使えるのです。音声をそのまま流すと銅線1本まるまるの容量が必要だったのですが、デジタル化することで、半分以下の容量しか必要でなくなったのです。そこで、1本の銅線で2回線分使えるようにしたのが「ISDN回線」です。
わかりやすく説明しましょう。荷物が1個しか積めないトラックがあったとします。今までならば、1台のトラックで1個の荷物しか運べなかったわけですが、荷物の梱包方法を改良し、半分の大きさに出来たとします。すると、1台のトラックで2個の荷物が運べるようになります。トラックの大きさや台数を変えなくても、輸送能力を2倍にすることができるわけです。ISDN回線もこれと同じようなものと理解して下さい。