意に反してペニスがうなだれる中折れ
「親の心、子知らず」。あと一歩というとき、ペニスが意に反してうなだれるのは中折れの典型
主に男性同士の会話では頻繁に交わされる中折れも、辞書レベルではまだ市民権を得ていないようです。三省堂国語辞典にしても、この言葉の使い方として紹介しているのは「景気の――」と遠慮がちの例にとどめています。
しかし、中折れとはよく言ったもので、景気に用いるより、隆々としたペニスがあと一歩というとき、意に反してうなだれる感じのほうがリアルさにおいて勝っているようです。
では、そもそも、いったん勃起しても途中で萎えてしまう中折れはどうして起きるのでしょうか。
性行動プロセスにおける障害が原因に
(ちょっと専門的な話になりますが)勃起は大脳に起きた性的な興奮が神経を通ってペニスに伝えられることで始まります。興奮が伝わると陰茎海綿体の神経から一酸化窒素が放出されます。その刺激で作られるcGMPという物質のはたらきで海綿体の平滑筋が緩み、拡がった血管に血液が流れ込みます。流入した血液で海綿体が膨張すると周囲の静脈は圧迫され、海綿体の内圧も高まります。この状態が勃起です。性行動サイクルの勃起のプロセスだけでもこのような複雑なメカニズムがあります。
そのプロセスのどこかに障害があると正常に勃起することが難しくなります。例えば、ストレスが強い場合や心配事がある場合には性欲が低下するため勃起しにくくなります。つまり、精神的な原因で大脳の性的な興奮が抑えられると十分に勃起できなくなるのです。
いったんは勃起しても、その維持が困難になったり、性交中に萎えたりする中折れは精神的な理由ばかりでなく、体に原因があることで起きる場合もあります。
神経や血管の病気が関係していることも
体を原因とする中折れで最も多いのは神経や血管に異常があるため、脳の興奮が伝わらなかったり血流が十分に満たされなかったりすることで起きる場合です。簡単に言うと、勃起は陰茎海綿体が充血した状態ですから、なんからの事情で充血を維持できなければ勃起の持続もできません。神経を損ねる病気やけがをすると興奮が伝わらないので勃起が難しくなります。
また、動脈硬化になると血管が十分に拡がらず、血液循環も悪くなるため陰茎海綿体に十分な血液を送り込むことができません。これもEDを招く大きな原因です。特に動脈硬化はさまざまな生活習慣病と深く関わっています。ですから、その原因となる高血圧や糖尿病、脂質異常症を改善することが予防につながります。
血管を収縮させ、血流を低下させる喫煙や大脳の興奮を抑制するほどの過度の飲酒も控えるほうが賢明です。
リラックスした気持ちで性交に臨む
中折れの多くは過度の緊張が引き金に。心身共にリラックスすることが中折れから逃れる早道
中折れは文字通り、途中で折れてしまう現象ですから、折れなくする手立てを考えればよいわけです。そのためには、緊張せず、リラックスした気持ちで性交に臨むことです。軽いアルコールは気分をほぐすのにも効果的でしょう。
それでもうまくいかないときには、ED治療薬を試してみるとよいでしょう。ジェネリック商品などのED治療薬は性的な刺激に応じてペニスの血管を拡がりやすくし、勃起を助けるはたらきがあります。中折れを招く陰茎海綿体からの血液の流出を防ぎ、パートナーとの豊かな時間を過ごすサポートをしてくれるはずです。
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