最も大きく変化したのは「メッセージ」
アップルのiPhone/iPad/iPod touch用基本ソフト「iOS」の新バージョン「iOS 10」が、今年も秋に配信される予定となっています。iOS10は基本的な操作やインターフェース面での変化はあまり大きくありませんが、「メッセージ」や「マップ」などの標準アプリケーションが大幅にアップデートされたことで、使い勝手が大きく向上しているのがポイントです。iOS 10については6月にその内容が発表されていますが、既にパブリックベータ版の配布は始まっています。そこで、6月の発表内容やパブリックベータ版の使用感などから、iOS 10の進化ポイントについて説明したいと思います。
- 「メッセージ」がLINE並みの高機能に
しかしながらiOS 10では、このメッセージアプリが大幅に進化。テキストや画像だけでなく、会話を楽しくする多彩な機能が搭載され、LINEなど多くのメッセンジャーアプリ同様、楽しいコミュニケーションができるようになったのです。
LINEでいうところのスタンプが利用できるようになったのはもちろん、吹き出しがの表示の仕方が選べるので、より多彩な感情表現ができるようになりました。さらにもっとインパクトを与える機能として、画面いっぱいに風船や紙吹雪が飛び交うなどの派手な演出も用意されています。
手書きのメッセージを送る機能も新たに用意され、手書き文字やイラストによるコミュニケーションもできるようになったほか、プリントシール機のような感覚で、写真に手書きの文字やスタンプなどを加えて送ることも可能になっています。
他にも、絵文字の入力がしやすくなったり、YouTubeのURLを送るとサムネイルが表示されたりするなど、使い勝手を向上させる豊富な機能が搭載。このアップデートによって、メッセージはLINEなどのメッセンジャーアプリに匹敵するコミュニケーションアプリに進化したといえるでしょう。
「地図」や「写真」も利便性が向上
- 「地図」で日本の交通機関の経路検索が可能に
ナビゲーション機能も進化して使い勝手が向上し、周辺のガソリンスタンドやレストランなどをより素早く、簡単に探せるようになります。そして何より、日本のユーザーにとって大きな進化となるのは、日本の交通機関の経路検索に対応するということ。特に都心で電車を頻繁に利用する人にとって、経路検索は欠かせないもの。それだけに、この点は非常に嬉しいポイントとなるのではないでしょうか。
- AIの導入で探しやすくなった「写真」
メモリー機能とは、AI技術で撮影した写真を自動的に分析し、その特徴を基に「山」「犬」「車」など自動的に分類して探しやすくしてくれたり、撮影した場所や時間などに応じて複数の写真を自動的にアルバムにまとめてくれたりするもの。顔の認識もできることから、特定の人だけが写っている写真を探すことも可能です。目的に応じた写真をより探しやすくなり、より思い出を振り返りやすくなったといえるでしょう。
- 「ミュージック」は歌詞表示に対応
- 「ホーム」アプリの追加
もっとも、日本ではまだHomeKit対応機器自体があまり登場していないことから、ホームアプリは現在のところ、日本の多くのユーザーにとって重要性はあまり高くないでしょう。ですが今後対応機器が増えた時、家の家電機器をiPhoneで操作できるようになり、利便性が大きく高まることから、注目しておくべき機能といえるのではないでしょうか。
ロック画面が大きく変化し使い勝手が向上
- スリープ・ロック解除方法が変更
またiPhone 6s以降(iPhone SE含む)は、本体を持ち上げた時にスリープ解除がなされる「Raise to Wake」機能にも対応。ボタンに触れることなくスリープを解除し、通知を確認できるようになります。
- 「Today view」の追加
- 通知から直接メッセージの返信が可能に
- 「コントロールセンター」が2画面に
- 文脈に合わせて予測する「QuickType」
- 「Siri」が標準アプリ以外にも対応
ここまでiOS 10の主な新機能を紹介してきましたが、基本機能だけでなくアプリの大幅な進化によって、従来の不満が解消され、より便利に利用できるようになったといえるでしょう。新iPhoneにも期待が高まるところですが、新しい体験が得られるiOS 10の正式なリリースも、大いに期待されるところです。
最後に、iOS 10の対応デバイスは以下の通りとなっていますので、自分が持っている機種が対応しているかどうか、あらかじめチェックしておくといいでしょう。
- iPhone
- iPad
- iPad touch
【関連サイト】
iOS 10プレビュー - Apple(日本)