50代の平均収入をデータでチェック
仕事を始めて約30年。50歳からは仕事人生の仕上げの時期に入るといえるでしょう。同時に家計運営においても重要な時期です。老後を見据えて準備が必要になるからです。今後のマネープランを立てる際の基本となるのが、現在の収入および今後の収入の見通しです。50代の収入の現実がどうなっているのか、データから確認してみました。
収入のピークは50代前半、学歴別賃金
上の表は、学歴別に見た50代の賃金です(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況」より)。この調査でいう賃金とは、6月分の所定内給与(労働契約で定められ、決まって支給する現金給与額)のことで、時間外勤務手当などは含みません。所得税等を差し引く前の金額です。
学歴別に50代前半、50代後半それぞれの賃金を紹介していますが、年齢階級別に見ると、学歴に関わらず、ほぼ50代前半が賃金のピークです(大学・大学院卒の女性のみ70代がピーク)。
大方の会社員にとって生涯で最も収入が多い時期となりますが、子供がいれば教育費もピークにあたるので、増えた収入でここを乗り切りたいところ。50代後半になると、役職定年などにより50代前半よりも収入が減る人が多いようです。晩婚などで50代後半に教育費のピークが来る家庭では、事前に対策を考えておいた方がいいでしょう。貯蓄で住宅ローンを繰り上げ返済するのか、教育費にあてるのかなど、今後の予定を考えながら判断する必要があります。
企業規模別50代の賃金
企業規模別に見ると、どうでしょうか? 企業規模別にみても、やはり50代前半が賃金のピークであることは同様です。女性の方が企業規模による格差は小さいようです。
産業別50代の賃金
おもな産業別の賃金では、50~54歳の男性では「金融業、保険業」、55~59歳の男性では「教育、学習支援業」、50~54歳の女性では「情報通信業」、55~59歳の女性では「教育、学習支援業」の賃金が最も高くなっています。最も高い産業と最も低い産業ではかなりの開きがあります。
雇用形態別50代の賃金
正社員か、正社員以外かによる賃金の違いは次の通りです。正社員以外で働く人の賃金の水準は、正社員の5割強から6割程度。ちなみに、短時間労働者の1時間当たりの賃金は次の通りです。
表の一番右の年齢階級間賃金格差は、20~24歳を100としたときの値。50代になっても、20代前半に比べて5%~20%しか増えないのが、つらいところです。正社員では、学歴が高いほど、また企業規模が大きいほど、年齢が上がるに従い賃金が増えていき、50代前半では200%超のケースもあるのとは対照的です。
若いころは、それほど大きくなかった差が50代になると顕著に表れてきます。もちろん個人差もあります。同じ学歴、同じ会社、同じ年齢であっても賃金に差があるのが現実です。そして大事なのは、自分の現実の収入を有効に活用して、より満足度の高い生活を設計すること。そのためにも、一度、客観的に自分の収入について考えてみてください。
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