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演劇ガイドが選ぶ!2015年の舞台ベスト5を発表!(2ページ目)

2015年も劇場でたくさんのドラマが生まれ、多くの観客の人生を変えました。あなたは何回劇場に足を運びましたか?今回は演劇ガイド・上村由紀子が2015年に上演されたストレートプレイの中から「個人的・ベスト5舞台」をご紹介します!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

これぞ蜷川演出の真骨頂
NINAGAWA・マクベス

NINAGAWA・マクベス』(シアターコクーン他)

作 ウィリアム・シェイクスピア 演出 蜷川幸雄
出演  市村正親 田中裕子 橋本さとし 柳楽優弥 瑳川哲朗 吉田鋼太郎 他

シェイクスピア・四大悲劇の一つである「マクベス」。国と時代とを日本の安土桃山時代に移した設定で1998年に上演され「仏壇マクベス」名のもとに大当たりを取った本作が、17年振りに劇場へ帰ってきました。

マクベス役・市村正親さんの圧倒的な存在感と溢れる気迫、マクベス夫人役・田中裕子さんの強さとたおやかさとが混在した演技、吉田鋼太郎さん、橋本さとしさん、柳樂優弥さんらの骨太な芝居が見事な化学反応を起こした一本。蜷川幸雄氏の斬新な演出に真っ向から立ち向かう熟練俳優たちの熱と気合いが素晴らしかったです。

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4人の会話が奇妙に交差
スポケーンの左手

◆『スポケーンの左手』(シアタートラム)

作 マーティン・マクドナー 演出 小川絵梨子
出演 蒼井優 岡本健一 成河 中嶋しゅう

古びたホテルの一室。そこにいたのは「なくした左手を探す男」だった。男の左手を探し出したという黒人と白人の若いカップル、時に現れ状況を掻き回して去るホテルのボーイ……果たして彼らの行く先は……?

『ピローマン』『ウィー・トーマス』など日本での上演機会も多い英国の劇作家、マーティン・マクドナーの戯曲を気鋭の演出家・小川絵梨子氏が演出した本作。シアタートラムという濃密な空間の中央に舞台を設置し、舞台を挟む形で客席が配置されるスタイルでの上演となりました。

出演者4人の会話の呼吸とニュアンス、キャッチボールがほんの少しでも崩れたら物語の全てが崩壊してしまうという緊張感の中、見事にその綱渡りを演じ切ったキャストに脱帽。4人とも最高に素敵だったのですが、中でもこんなコミカルな芝居も出来るんだ……と、新しい一面を見せてくれた岡本健一さんに拍手です。


2015年のストレートプレイを振り返る

と、演劇ガイド・上村の視点で2015年に上演されたストレートプレイ(=台詞劇)の中から特に心に刺さった5本をPick Upしてみました。

昨年は「劇団」の底力と、いわゆる新劇畑から出てきた若い演出家たちの才能に打たれた一年でしたが、今年は劇場……特に公共劇場のプロデュース作品にヤラれることが多かった気がします。

さらにコチラの記事にも書いたように、2.5次元舞台の存在も演劇界全体として無視できない位大きくなったのではないかと。2016年はここから巣立った俳優たちの活躍が益々期待される一年になりそうです。

自宅のテレビはもちろん、スマホでも番組視聴が可能なドラマや、上映館が比較的多い映画と比べると、上演期間も短く、劇場も限られ、更にチケット代が他のエンタメと比べて高額な演劇作品。どうしても”敷居が高い”と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、演劇には「その瞬間にしか体感できない”生”の魅力」があります。

「一本の舞台が人生を変えることもある」……そんな奇跡をあなたも体験してみませんか。

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