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NHK杯、全日本ジュニア……11月のフィギュア界雑感

グランプリシリーズが佳境を迎え、全日本ジュニア選手権も行われた11月を振り返ります。

執筆者:長谷川 仁美

フランス大会がショートで中止に

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前回の記事でも取り上げた、エリック・ボンパール杯(グランプリのフランス大会)が、パリでの同時多発テロの影響で、ショートプログラム、ショートダンスの段階で、中止となりました。その後、結果の取り扱い方が10日ほど経ってから決定しました。

エリック・ボンパール杯に関しては、ショート時点での順位を最終順位とすることに。

ただし、6大会まで終了した時点でのポイントが上位7位だった選手(組)でエリック・ボンパール杯に出場していた場合は、例外的にグランプリファイナルに進出できることになりました。

これによって、エリック・ボンパール杯に出場していた選手で、グランプリファイナルに手が届く可能性の高かった、男子シングルのマックス・アーロン(スケートアメリカ1位。エリック・ボンパール杯ショート7位)、女子シングルのエリザベータ・トゥクタミシェワ選手(スケートカナダ2位。エリック・ボンパール杯ショート時点で5位)とペアのエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組(スケートカナダ2位。エリック・ボンパール杯ショート時点で7位)が、残念ながら涙を飲むことになりました。


NHK杯で羽生結弦が快挙

この週末、ニュースで大きく報じられた通り、グランプリシリーズ第6戦の日本大会(NHK杯)で羽生結弦選手がフィギュアスケートの歴史に残るであろう演技を見せました。

今回の彼の得点は、ショートプログラム(106.33点)、フリー(216.07点)、総合得点(322.40点)で、ともに史上最高得点。フィギュアスケートに詳しい人にもそうでない人にも、「これは、すごい!」と思わせる、パワフルで中身の詰まった演技は、圧巻でした。

さらに、宮原知子選手は、グランプリシリーズでの初めての優勝がかかるなかで安定した演技で、国際大会での表彰台にも安定して立てるという姿も見せました。

復帰後最初のグランプリ(中国大会)で優勝した浅田真央選手は3位に。グランプリ初戦のスケートアメリカ10位だった無良崇人選手は、フリーで4回転を2つ決めるなど、全日本選手権に向けて立ち戻った姿を見せています。

NHK杯初出場の田中刑事選手と木原万莉子選手、アイスダンスの村元哉中&クリス・リード組、平井絵己&マリオン・デ・ラ・アソンション組も、日本のフィギュアスケートの底力の強さを感じさせました。


グランプリファイナル出場者が決定

NHK杯が終わったことで、シリーズ6戦が終わり、シーズン前半グランプリファイナル進出者が決まりました。出場選手は以下の通りです。(敬称略)

男子シングル:ハヴィエル・フェルナンデス、羽生結弦、宇野昌磨、ボーヤン・ジン、パトリック・チャン、村上大介

女子シングル:グレイシー・ゴールド、エフゲニア・メドベージェワ、宮原知子、浅田真央、エレーナ・ラジオノワ、アシュリー・ワグナー

ペア:メーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード、川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ、ウェンジン・スイ&コン・ハン、クセニア・ストルボワ&フェドール・クリムモフ、アレクサ・シメカ&クリス・ケネリム、シャオユー・ユー&ヤン・ジン、ジュリアン・セガン&シャルリ・ビドロー

アイスダンス:ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ、マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ、アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ、マイア・シブタニ&アレックス・シブタニ、マディソン・ハベル&ザカリー・ダナヒュー、エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ

同じ日程でジュニアグランプリファイナルも開催されますが、日本からは、男子シングルの山本草太選手が、女子シングルの白岩優奈選手、三原舞依選手、本田真凜選手の計4人が出場します。

日本選手たちの場合、世界選手権や世界ジュニア選手権などに派遣される条件として、グランプリファイナルの成績も考慮されます。シーズン前半戦を締めくくる大きな国際大会ですが、日本選手たちにとっては、シーズン後半の試合とも絡む重要な大会になります。


全日本ジュニア選手権

11月21~23日に、全日本ジュニア選手権が開催されました。

男子シングルでは、山本草太選手が優勝。4回転もトリプルアクセルも、試合では、昨シーズン初めて跳べるようになったばかりですが、フリーに4回転を2つ、トリプルアクセルを2つ入れるプログラムで臨みました。

4回転+3回転のコンビネーションはきれいに着氷しましたが、4回転1つとトリプルアクセル1つで転倒。とはいえ、12月の全日本選手権、その後の平昌五輪を見据えた挑戦は、とても清々しいものでした。

女子シングルは、優勝できる力を持った選手が5~6人いる状況。かわいらしい女子選手たちですが、この厳しい状況で、持っている力を存分に出してプログラム最後までがんばりぬいた演技には、胸を打たれました。

優勝は、2連覇となった樋口新葉選手。2位の白岩優奈選手とともに、世界ジュニア選手権出場がほぼ決まりました。



日々寒くなってきましたが、グランプリファイナル、全日本選手権、各国の選手権が待つ12月は、フィギュアスケートが熱い時期。テレビ放送も多くなるため、フィギュアスケートファンにとっては、たまらなく幸せであり、且つ、日々の生活が乱れていく時期に突入です。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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