宇宙・天体/星空を観察するための基礎知識

12星座の観測時期は?誕生日の星座はいつ見られるのか

誕生日の夜、天体観測をしても自分の星座は見られません。 星占いでおなじみの12星座では季節ごとに星座が分類されていますが冬の星座が冬にしか観測できないわけではありません。今回は、自分の星座の見つけ方を横道12宮と合わせてご紹介します。

執筆者:景山 えりか

誕生日の星座を観察したい!12星座の観測時期は?

12星座の観測時期は?誕生日の星座はいつ見られるのか

観測時期は?誕生日の星座はいつ見られるの?

星座に詳しくなくても、星占いでおなじみの12星座の名前なら知っている、という人は多いと思います。なかでも、誕生日の星座(以下、誕生星座)には親しみを感じているのではないでしょうか。それでは、自分の誕生星座を夜空に探したことはありますか?
 
<目次>
 

誕生日に自分の星座が見えないわけ

私は12月生まれのいて座です。けれど誕生日の夜に空を見上げても、いて座は見えません。街灯りのせいで星が見えにくいわけではなくて、そもそも12月の夜空にいて座はいないのです。

星占いで「私はいて座です」というとき、それは「生まれた日に、いて座のあたりに太陽がいた」ということを意味しています。ふたご座だって、さそり座だって、みんな同じこと。毎年誕生日がめぐってくる頃、誕生星座は太陽の近くにいて、昼の空の中を太陽と一緒に東から西へ移動しています。

ならば、自分の誕生星座が見頃を迎えるのはいつかというと、誕生日から3~4ヵ月ほど前になります。12月生まれのいて座の場合、いて座が見られるのは夏の夜空です。
 

12星座の観測時期を季節分け!

星座のガイドブック(解説本)では、季節ごとに星座が分類されています。12星座の一般的な分類は以下の通りです。

春の星座
かに座・しし座・おとめ座

夏の星座
てんびん座・さそり座・いて座

秋の星座
やぎ座・みずがめ座・うお座・おひつじ座

冬の星座
おうし座・ふたご座

このように季節ごとに分類されているものの、「春の星座」が春にしか見られないわけではありません。実際には、前後の季節(冬や夏)にも見ることができます。ただし、その場合は星座が見られる時間が夜半過ぎだったり、日没直後の短い時間だけだったり、観察する時間帯が限られる時期も含まれてしまいます。

たとえば、おとめ座の場合、冬や夏の夜空でも見られますが、もっとも観察しやすいのは「春」というわけです。

季節の星座とは、日が暮れて空が完全に暗くなる頃(20時頃)から日付が変わる手前(24時頃)までの間に、南の空に見られる星座のことをさします。このことを知っておくと、自分の誕生星座がぐっと探しやすくなるでしょう。

さあ、夜空を見上げて誕生星座を探してみませんか。今まで星占いでしか知らなかった星座と自分のつながりが、実際に夜空に輝く星座を目にすることでリアルさを増し、星の世界がもっと身近になるはずです。はじめて自分の星座を見つけたときの喜びは、忘れられない感動体験となるでしょう。
 

「黄道12星座」と「黄道12宮」

地球から見ると、太陽は1年かけて空の中を動いているように見えます。地球から見た太陽の通り道のことを「黄道(こうどう)」といいます。この黄道に位置している星座を「黄道12星座」と呼びます。星占いでおなじみの、12星座のことですね。太陽は、およそ1ヵ月をかけて、ひとつの星座の中を移動し、1年で12の星座をめぐるわけです。

ところで、秋の星座に分類されているおひつじ座は、星占いでは第1番目の星座です。その理由は、星占いが整備された数千年前に、春分の日の太陽がおひつじ座で輝いていたから。昼と夜の長さがほぼ等しくなる春分をスタートにしたのです。
しかし、星空は長い歳月をかけて少しずつ変化していきます。そのため、今では春分の日の太陽はうお座にいます。

春分の日に太陽がいる位置(春分点)を起点に、360度の黄道を30度ずつ12等分したのが「黄道12宮」です。起点から順番に、以下の名称がつけられています。

・白羊宮(はくようきゅう)
・金牛宮(きんぎゅうきゅう)
・双児宮(そうじきゅう)
・巨蟹宮(きょかいきゅう)
・獅子宮(ししきゅう)
・処女宮(しょじょきゅう)
・天秤宮(てんびんきゅう)
・天蠍宮(てんかつきゅう)
・人馬宮(じんばきゅう)
・磨羯宮(まかつきゅう)
・宝瓶宮(ほうへいきゅう)
・双魚宮(そうぎょきゅう)

星占いで使われているのは、夜空に輝く星々をつないだ星座(黄道12星座)ではなく、実は黄道12宮のほうです。
たとえば「おひつじ座生まれ」は、正しくは「白羊宮生まれ」となります。

ちょっとややこしいですが、黄道12星座と黄道12宮の違いを知っておくと、リアルな星空と星占いの両方を、さまざまな視点で楽しめるようになり、星の世界がもっとおもしろくなるでしょう。

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