テクノポップ/海外のテクノポップ

K-POPの死角、Neon Bunny

日本でのK-POPブームのピークは2011年頃。ちょうどその時期にデビューしたのが、Neon Bunny。K-POPという枠にははまらない、PhoenixやLadyhawkeなどへの共感がうかがえるサウンド。その後も着実に世界観を広げつつ、シングルをリリース。これはK-POPの死角! K-POPを広く捉えれば、これこそが聴きたかったK-POPです。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

K-POPブームの衰退

2010年頃から始まったK-POPブーム。2011年にピークを迎え、その後は下降路線を辿っています。僕自身、楽曲単位で好きなのはありますが、それほどK-POP、特に日本でもメジャーとされた人たちにはそれほど思い入れはありません。同時にイマイチ盛り上がりに欠けるK-POPであるが故、書きたくなる天邪鬼な性格です。

今年になって、K-POPについてはこんな対談もしました。こちらはあくまでもアイドル目線でしたが、今回はインディー目線です。

K-POPからの日本のアイドルへの回答
(All Aboutテクノポップ)

のっけからK-POP、K-POPと書きましたが、今回紹介するNeon BunnyにはサウンドとしてのK-POPらしさはあまりありません。K-POPの多くは、80年代のニューウェイヴ、テクノ/エレクトロポップ、それ以降のインディー的なものを通過せずに、ディスコ、ヒップホップ的な要素で成り立っているポップが主体と感じます。世界戦略に成功したと言われたK-POPですが、それはK-POPの潔さでもあり、物足りなさでもあります。

K-POPの枠にはまらない

Neon Bunnyとは、イム・ユジン。彼女は、The Black Skirtsというバンドのキーボードを担当していたこともありました。日本でのK-POPブームのピークだった2011年に、アルバム『Seoulight』でデビューします。日本ではあまり話題になりませんでしたが、今聴いても風化しない魅力に溢れる作品です。オープニングを飾る「Long-D」は、韓国語で歌われていますが、今までのK-POPとは全然違うサウンド。本人も好きだと公言しているフランスのPhoenix(他にもLadyhawkeや日本のポップカルチャーを愛する)を彷彿とさせます。

ソウルライト (amazon.co.jp)
Seoulight (Bancamp)
seoulight

Seoulight


Long-D (YouTube)

続く、PVも制作された「Come A Little Closer」でさらにノックアウトされます。その後も、最後まで捨て曲がなく、チルウェイヴからフレンチタッチまで緩急交えた展開の珠玉の10曲です。そんな甲斐もあって、韓国大衆音楽賞で2012年の最優秀ポップ・アルバムに選ばれます。

Come A Little Closer (YouTube)
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