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小藪千豊は上岡龍太郎の夢を見るのか?

最近、テレビで活躍をよく見る小藪千豊。吉本新喜劇の座長として以前から大阪で活躍していたのですが、その雰囲気や物言いがなんとなく、上岡龍太郎に似ているんです。その小藪千豊が笑福亭鶴瓶とコンビで、伝説の名番組「パペポTV」を再現したバラエティーに登場しました!

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

長年のブランクを経ての復活!?

あの「鶴瓶・上岡 パペポTV」の再来という声もあった「ヤブツル~鶴瓶・小藪の大阪夜話」が8月22日にNHK(!)で放送され、期待半分不安半分で見させてもらいました。感想を一言でまとめると、「なるほど」というのがしっくりくるかもしれません。

30代以下の方のために説明しておくと、笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎が2人だけで毎週トークバトルを繰り広げた「パペポTV」は、深夜番組ながら全国に大勢の熱烈ファンを発生させ、伝説の番組として後々のバラエティー等に強い影響を残しています。

2000年に引退した上岡の位置を、よしもと新喜劇座長の小藪千豊が引き継いだ形で、番組の随所にリスペクトが感じられる構成でした。濃密な30分を過ごすことができましたが、正直、あとひとつ足りないものがあったと感じてしまいました。


トークで火花は飛んだのか?

いや、面白かったですよ。充分に面白かったけれど、勝手にハードルを上げて見てしまったすれっからしの視聴者は、それ以上のものを望んでしまってたんです。もしも2人の間で「火花」が飛び交う場面が一瞬でもあれば、まさに「パペポ」復活を確信したところでした。

又吉直樹の小説タイトルとして、今年の流行語大賞にもねじこまれそうな勢いの「火花」。冒頭と終盤に熱海の花火大会が登場し、主人公が組んでいるコンビ名が「スパークス」だったりと、いくつもの意味が掛かっているようですが、中でも価値観の違う2人が投げ掛ける会話によって生じる「火花」こそが、小説全体をささえる屋台骨だったのでは。

その「火花」を毎回のように発生させていたのが「パペポTV」でした。気心の知れあっている2人の間に対立点などまったくないにもかかわらず、お互いの短所、相手の発言に半ば無理やり突っ込みを入れることによってで、トークに火花を散らし、爆笑を生み出していたのでした。
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